「試算表は毎月作ったほうがいい?」
「試算表はどこを見ればいいの?」
上記のような疑問に、会計事務所歴5年のホスメモがお答えします。
儲かっている経営者ほど、毎月の数字は気にしているものです。
毎月試算表を作り、いくら利益が出ているのか確認すれば、ムダな投資も回避できます。
経営者のまわりには営業マンが集まるので、かれらの誘惑に負けないためにも毎月の利益はしっかり把握しておくべきです。
試算表は毎月作ったほうがいいですよ
試算表は毎月作ったほうがいいですよ。
なぜかというと、
- 経営者のまわりに営業マンが集まるから
- つぎの経営戦略を検討できるから
ですね。
どういうことか解説していきますね。
1、経営者のまわりに営業マンが集まる
経営者のまわりに営業マンが集まります。
「社長!これどうですか?」とか「社長!新しい商品が出ました」とか。
営業マンは①お金を持っている人、②裁量権がある人に交渉しにいくので、社長のまわりには営業マンばかり集まります。
で、言い方は悪いですが口車に乗せられてムダな投資をしてしまうんです。
これに対抗するには、社長自身が毎月の試算表を把握しましょう。
いくら付き合いが長い取引先であったとしても、毎月の試算表が赤字だったらムダな投資はしないですからね。
感覚で判断してしまうと、「いつもお世話になっているから」と妥協してしまい営業トークに負けます。
経営者は数字にもとづいて経営判断する習慣を身につけましょう。
2、つぎの経営戦略を検討できる
毎月の試算表を把握していれば、つぎの経営戦略を検討できます。
まずは税金がいくらになるのかを考えます。
たとえば毎月50万円の黒字だとして、このまま業績がおなじだと仮定すると、年間の利益は600万円になります。
このままだと法人税が所得(≒利益)に対して約20%かかりますし、消費税がいくらになるのかも検討しないといけません。
税金がいくらになるのかを検討すると、では「一体いくら投資に回せるのか」が見えてきます。
また投資をすることで、節税につなげることも可能。
経営戦略は数字にもとづいて策定すべきですので、毎月試算表を把握していないと、そのばかぎりの自転車操業になってしまいます。
毎月試算表を把握して、先読みした経営を推し進めましょう。
ではここからは試算表のどこを見るべきなのかを解説します。
これを知ることで、正しい経営戦略を導き出してください。
毎月の試算表でみるべきポイント
毎月の試算表で見るべきポイントはこちらです。
- 自社の売上高比率を把握する
- ひと月当たりの販管費を知る
- 比較は縦と横で行う
1、自社の売上高比率を把握する
売上高比率を把握しましょう。
売上高比率とは、売上に対してその経費が何パーセントを占めているのかを表したものです。
たとえば100万円の売上にたいし、仕入れが40万円であれば、仕入れの売上高比率は40%です。
このように仕入れ、人件費、家賃などそれぞれの勘定科目ごとに売上高比率を確認してください。
時間がない人は売上原価(仕入れ)に対する売上高比率だけでも、頭に入れておいてください。
2、ひと月当たりの販管費を知る
ひと月当たりの販管費も把握しましょう。
販管費は毎月ほぼ一定の金額で推移しているはずです。
であれば、時間がない経営者は毎月の売上と仕入れだけを気にしていれば、試算表が赤字になるか黒字になるのか予測が立ちます。
もちろん、季節ごとに単発の経費も発生しますが、概算を知るためなら売上と仕入れだけでも十分です。
かくいうわたしも、タイムリーに把握しているのは売上と仕入れだけ。
正確な試算表は2か月遅れで、税理士から報告を受けています。
3、比較は縦と横で
財務分析の基本は縦と横の比較です。
縦の比較とは売上高比率などのことで、損益計算書を縦に分析する方法。
いっぽうで横の比較とは、前年度比など過去の数字をつかった比較方法です。
わたしの会社でいえば、①毎月の売上高比率と②前年度の同月の売上と利益を比較をしています。
季節によって売上が変動するので、前月との比較よりも前年度の同じ月を比較の対象にしていますよ。
どの数字を重視するのかは、経営者によって違うと思います。
でもなにを見ればいいのかわからない人は、①毎月の売上高比率と②前年度の同月の数字と比較してみてください。
まとめ:試算表は毎月チェックしましょう
試算表は毎月作ったほうがいい理由は、
- 経営者のまわりに営業マンが集まるから
- つぎの経営戦略を検討できるから
でした。
経営者のまわりには営業マンが集まるので、下手なセールストークに乗らないためにも、毎月の財務状況はしっかり把握しておくべきです。
そして毎月の試算表で見るべきポイントはこちらでしたね。
- 自社の売上高比率を把握する
- ひと月当たりの販管費を知る
- 比較は縦と横で行う
ここまでできれば、あとはマーケティングや営業に力をいれて、売上を伸ばすことに専念していきましょう。