現金が合わないときの仕訳とは?消費税は?【経理向け】

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「現金が合わないときの仕訳は?」

「消費税はどうなるの?」

 

上記のような疑問にお答えします。

現金が合わないときの仕訳を大きく分けて2パターンで解説します。

現金が少ないときの勘定科目は「雑費」、多いときは「雑収入」がいいと思います。

 

理由とセットで詳しく解説しますね!

 

現金が合わないときの仕訳とは?

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現金が合わないときの仕訳には大きく分けて2パターンあります。

  1. 現金が少ないとき
  2. 現金が多いとき

 

1、現金が少ないとき

手元の現金が帳簿より少なくなってしまったときの仕訳はこちら。

日付 借方 借方金額 税区分 / 貸方 貸方金額 税区分 摘要
12/31 雑費 1,000 対象外 現金 1,000 対象外 現金過不足

 

勘定科目は「雑費」としましたが、正確には「現金過不足」or「雑損失」でも大丈夫です。

 

ではなぜ雑費としたかといいますと、決算書だけを見たときに雑費のほうが何に対する損失なのかわからないから。

 

たとえば「現金過不足」という勘定科目を使えば、「あっ、この会社は現金管理がきちんとできてないな」とすぐにバレてしまいます。

 

金額が少額なら良いかもですが、まあ良くないですよね。融資の時などでは。

 

また「雑損失」は販管費ではなく、営業外費用に区分されます。

なので決算書の表記区分がほかの経費と異なるので、目立つんですよ。

そのため「この雑損失、なんですか?」と質問される機会が多くなりやすい。

 

であれば「雑費」が一番、当たり障りがない勘定科目になるわけです。

振込手数料や銀行の利用料を「雑費」にしている会社は多いですからね。

 

もちろん雑費も金額が大きくなれば目立ちますよ。

2、現金が多いとき

では逆に現金が多いときの仕訳。

日付 借方 借方金額 税区分 / 貸方 貸方金額 税区分 摘要
12/31 現金 1,000 対象外 雑収入 1,000 対象外 現金過不足

 

現金が増えてしまったときは「雑収入」ですね。

雑収入はよく使う勘定科目なので、あまり目立たないと思われます。

 

もし営業外収益に表示させたくないのであれば、「雑費」を使っても方法もあります。

つまり雑費の逆仕訳を作ります。

 

すると、雑費の残高は減りますよね?

残高がマイナスにならないかぎりは現金が多いときに雑費の逆仕訳もアリです。

 

もちろん継続性の原則があるので、毎回同じように仕訳を作らないといけません。

また試算表をみれば、貸方と借方の残高を見れてしまうので、「あれ?雑費の一部が貸方に計上されているな」とバレてしまいます。

 

決算書は残高しか表記されないのでそんな心配はいらないですけれど。

すいません、かなり細かい話です。

 

現金が増える分にはリスクは低いので「雑収入」でOKだと思います。

現金過不足の消費税の区分はどうなる?

現金過不足が生じたときの消費税区分はすべて「対象外」です。

 

消費税法上は、消費税が課税にされる取引は下記の4つをすべて満たした場合のみです。

  1. 対価を得て行う
  2. 国内において行う
  3. 事業者が事業として行う
  4. 資産の譲渡・貸付けまたは役務の提供である

現金過不足では対価がありません。

ただお金が減ったり、増えたりしただけです。

なので消費税は課税されない、つまり対象外になります。

 

以上までが現金過不足の仕訳方法についての解説でした。

 

つづいては現金が合わないときの対処法をお伝えします。

法人経営者の多くが実践している方法なので、ぜひ参考にしましょう。

 

経理で現金が合わないときの対処法

approach

経理で現金が合わないときの対処法をまとめました。

 

  1. 通帳に取引を集める
  2. 現金決済からクレカ決済へ

 

1、通帳に取引を集める

経理で現金がよく合わない会社は通帳に取引を集約させたほうがいいですよ。

通帳に取引を集めれば、証憑が残るのであとで検証しやすいです。

 

たとえば

  1. 仕入
  2. 家賃
  3. 給与
  4. 水道光熱費

 

このあたりの経費は通帳で振り込むか、自動引き落としにしたほうがいいです。

ようするに①固定費と②金額が大きい経費は、通帳にまとめましょうというわけです。

 

これだけでも現金がなくなるリスクを減らせますし、経理の負担も軽くなるはずです。

2、現金決済からクレカ決済へ

コンビニなどのちょっとした買い物で現金を使っていませんか?

これからはすべてクレカ決済へ移行しましょう。

 

たったこれだけで現金管理の事務負担が一気にラクになりますよ。

現金は毎回、数えるだけでも神経使いますからね。

ダブルチェックも必要ですし。

 

またクレカ決済ならカード明細をみれば、決済内容をみれます。

だから「領収書失くした~」となっても大丈夫です。

それによく考えると、経費漏れを回避できるので節税にもなりますよね。

 

ちなみにクレカ決済の管理は、freeeなどの会計ソフトに同期すれば自動で仕訳も作成してくれます。

たったこれだけで業務を効率化です。

 

税務調査では現金出納帳はかならずチェックされます

税務調査では現金出納帳はかならずチェックされると思っておきましょう。

 

なぜだと思いますか?

現金は誤魔化しやすいからです。

 

現金取引だと証拠を隠しやすく「バレないだろう」と感じてしまう経営者さんも多いです。それに現金取引の管理が、非常に難しいという話しもあります。

 

そのため現金出納帳の管理は厳格に行わないと税務調査リスクを負ってしまうんです。

税務調査ほどめんどうなことはないですよね。

お金も時間も取られるだけで、経営者側のメリットはありませんから。

 

という状況を考えると、現金管理は止めにして、取引は通帳やクレカ決済を中心にしたほうがいいと思います。

 

ホスメモではこのように、経理の処理方法から経営の効率化にかんする記事をたくさん更新しています。ぜひお知り合いにシェアしていただけると嬉しいです。

 

それではまた別の記事でお会いしましょう。

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