「信用保証料の仕訳はどうすればいい?」
「消費税の区分はどうなるの?」
「繰越資産になる?」
上記のような疑問にお答えします。
信用保証の期間が数年にわたれば、信用保証料は一括で経費計上できなくて繰越資産として計上されますよ。
ただし20万円未満の保証料については、少額なので、一括で経費計上してもOKです。
信用保証料の仕訳はどうすればいい?消費税は?
融資を受けるときに、信用保証協会などを利用すると保証料が取られますよね。
この保証料には2パターンあって、
- 一括払いした保証料の一部が返金される場合
- 保証料が返金されない場合
があります。
それぞれで仕訳がちがうので、きちんと記帳できるようになりましょう。
保証料の返金の有無については契約書に書かれているので確認してください。
一括払いした保証料の一部が返金される場合
一括払いした保証料の一部が返金される場合では、保証料は期間におうじて費用計上しましょう。
ぐたいてきには、一旦長期前払金で資産に計上して、決算時に資産を減らし費用計上していく方法です。
仕訳にするとまず保証料を払った時点で、全額を長期前払費用に計上します。
日付 | 借方 | 借方金額 | 税区分 | / | 貸方 | 貸方金額 | 税区分 | 摘要 |
4/1 | 長期前払費用 | 3,000,000 | – | 現金 | 3,000,000 | – | ホスメモ融資 |
その後、決算時に長期前払費用をとりくずして、費用計上します。ここでは12月決算だとしますね。
日付 | 借方 | 借方金額 | 税区分 | / | 貸方 | 貸方金額 | 税区分 | 摘要 |
12/31 | 保証料 | 450,000 | 非課税 | 長期前払費用 | 450,000 | – | ホスメモ融資 保証料 |
この仕訳を作ったあとは、かならず貸借対照表で長期前払費用の残高が減っていることを確認しましょう。今回の例では300万円から45万円を引くので、255万円が保証料の残高になるはずです。
貸借対照表と損益計算書をセットで管理できるようにならないと、いつまでたっても帳簿の管理ができなくなってしまうので、仕訳を作る度に確認するようにしてください。
保証料が返金されない場合
保証料が返金されない場合は、役務の提供がすでに終わっているので繰越資産に該当します。
保証料等の繰越資産は原則5年で償却しますので、保証期間が5年以上の場合でも、5年で費用計上します。
権利金などの場合・・・5年
ただし、契約による賃借期間が5年未満の場合で、契約の更新に際して再び権利金等の支払を要することが明らかであるときは、その賃借期間となります。
国税庁:繰越資産
仕訳で見ていきましょう。
まずは保証料を全額、繰越資産として計上します。科目は繰越資産がなければ長期前払費用でもOKデス
日付 | 借方 | 借方金額 | 税区分 | / | 貸方 | 貸方金額 | 税区分 | 摘要 |
4/1 | 長期前払費用 | 3,000,000 | – | 現金 | 3,000,000 | – | ホスメモ融資 保証料 |
その後、決算時に繰越資産の償却をおこない費用計上します。
日付 | 借方 | 借方金額 | 税区分 | / | 貸方 | 貸方金額 | 税区分 | 摘要 |
12/31 | 繰越資産償却費 | 450,000 | – | 長期前払費用 | 450,000 | – | ホスメモ融資 保証料 |
ちなみにこちらが繰越資産償却額の計算方法です。
償却限度額 = 支出した費用の額 × その事業年度の月数 / 支出の効果が及ぶ期間の月数
国税庁:繰越資産
300万円を5年で償却するとして、4月から12月までの月数は9ヶ月だから、
300万×9/60=45万ですね。
保証料が20万円未満なら一括で経費に
保証料が20万円未満であれば、期間にわたって償却する必要はありません。
一括で経費にできますよ。
なお、その支出した費用の額が20万円未満であるときは、繰延資産として計上しないで、その支 出時に全額を損金経理により損金の額に算入することができる
国税庁:繰越資産
信用保証料の消費税は非課税です
仕訳で示したとおり、保証料の消費税は非課税になります。
預貯金の利子及び保険料を対価とする役務の提供等
預貯金や貸付金の利子、信用保証料、合同運用信託や公社債投資信託の信託報酬、保険料、保険料に類する共済掛金など
国税庁:非課税取引
信用保証料は消費税の税の性格になじまないので非課税なんですよね…
このあたりは暗記しておくいいとおもいます。
まとめ:信用保証料は繰越資産に該当するかもです、仕訳と消費税に気をつけましょう
信用保証料は2パターンありました。
- 保証料の一部が返金される場合
- 保証料が返金されない場合
保証料の返金があるものでは、保証料を長期前払費用で計上し、そのあとは保証期間によって費用計上しました。
いっぽうで保証料の返金がないものは、すでに役務の提供がおわっているので、繰越資産として原則5年間で償却します。
どちらのケースでも、一旦資産計上しなければいけないので、長期前払い費用の残高管理が重要になります。
仕訳を計上したときは、かならず貸借対照表で残高も確認するようにしてください。