簡易課税で雑収入の事業区分はどうなる?複数あるときは?【消費税】 

「簡易課税で雑収入の事業区分を知りたい」

「事業区分が複数あるときはどうなるの?」

 

 

 

 

上記のような疑問に、会計事務所歴5年のホスメモがお答えします。

 

消費税をすこしでも節税されたい、確実な税務処理を知りたいという方向けに、簡易課税を解説します。雑収入であっても、事業区分べつに、消費税の区分を分けてください。

 

複数の事業区分があるときは、メインが75%以上を占めていると、すべてメインの事業区分で処理できますよ。課税となる雑収入があれば、事業区分は複数になるケースが多いと思います。

 

帳簿上は、あくまで事業区分ごとに消費税区分を分けておいて、申告書で判定するイメージです。

 

簡易課税は論点が多くて、悩むことが多いと思います。

この記事を読めば、簡易課税のお悩みは解決できます。ぜひ最後までお付き合いください。

 



簡易課税で雑収入の事業区分はどうすればいい?

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雑収入も簡易課税の影響を受けるので、事業区分ごとに分類します。

 

どのように分類するのかを説明するまえに、どんな取引が「雑収入に該当するのか」を見ていきましょう。

 

帳簿の処理方法によって、「雑収入」から「仕入割戻」へ変えれるケースがあるので非常に重要な論点です。

 

もし雑収入を売上値引に変更できれば、帳簿上では売上が減るので、簡易課税で節税になりますよね?

 

簡易課税で迷う、雑収入のよくある例

雑収入を端的にいうと、本業の売上に比べて、金額が少額な収入です。

 

本業に付随して発生するものを雑収入であげるケースが多いですね。損益計算書でいうと、営業外収益に区分されます。

 

簡易課税で迷う、雑収入の例をあげてみましょう。

 

雑収入の例 説明
リベート 「仕入割戻」で処理できます
保険収入 非課税売上なので対象外
現金過不足 不課税取引なので対象外
販売奨励金 「仕入割戻」で処理できます
持続可給付金などの補助金 不課税取引なので対象外
社宅で従業員の負担する金額 非課税売上なので対象外
作業くずやスクラップの売却益 第1~4種のいずれか。状況によります。
自動販売機収入(本業は別なとき) 屋外に設置し、商品を販売なら「第2種」。

 

雑収入には消費税が不課税や非課税な取引もよくあるので、注意してください。

不課税や非課税なときは簡易課税の影響はうけません。

 

課税取引のなかで注意すべきなのは、リベートと販売奨励金ですね。

これは帳簿の処理方法で、雑収入から「仕入割戻」へ変更できます。

 

雑収入の仕訳例

たとえば自動車リースでは、毎月5万円のリース料を支払い、毎月2万円のリベートを受けるケースがあります。実質3万円負担です。

 

リベートを仕訳にすると、

 

日付 借方 借方金額 税区分 / 貸方 貸方金額 税区分 摘要
12/31 普通預金 2万 / 雑収入 2万 課税売上 リベート

 

が多いと思います。これでは、簡易課税の集計で売上が増えてしまい、不利です。

 

この仕訳を「仕入割戻」にしてみると、

 

日付 借方 借方金額 税区分 / 貸方 貸方金額 税区分 摘要
12/31 普通預金 3万 / 仕入割戻 3万 課税仕入返還 リベート

 

で、損益計算書の売上原価の残高に入れられます。ようするに、仕入と相殺されるので、売上には影響を与えません。

 

このように「帳簿の付け方」によって、簡易課税の有利不利が変わることもあるので覚えておきましょう。

 

簡易課税の事業区分はどのように判定する?

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さて、雑収入のチェックが終われば、いよいよ簡易課税の事業区分です。

 

国税庁の簡易課税判定フローチャートを見てみましょう。

Simple taxation

おもな論点は、

  1. 商品の譲渡か
  2. 事業区分の業種
  3. 飲食サービス業か
  4. 加工賃の料金が対価か
  5. 商品の形状を変更したか
  6. 事業用の固定資産の譲渡か

 

ですね。

 

ここですべてを解説するのは大変なので目安だけまとめますね。

 

事業区分 みなし仕入率 該当する業種
第一種 90% 卸売業
第二種 80% 小売業、農業・林業・漁業
第三種 70% 農業・林業・漁業、鉱業、建設業、製造業、電気業、ガス業、熱供給業及び水道
第四種 60% 第一種事業、第二種事業、第三種事業、第五種事業及び第六種事業以外の事業。おもに飲食業、事業用の資産の譲渡。
第五種 50% 運輸通信業、金融・保険業 、サービス業(飲食業を除く)
第六種 40% 不動産業

国税庁:簡易課税

 

一言だけ付け加えると、第四種はバスケットかごの役割を担っていて、どれにも該当しない事業区分は「第四種」になります。

 

これは覚えておいたほうがいいですね。

 

ほとんどの事業者はサービス業なので、「第五種」になるのが多いかもしれませんが。

 

取引の実態で事業区分を判定する

事業区分は取引の実態で判断されるため、たとえば自動販売機の売上は「第〇種でですね」とはなりません。

 

屋外に設置した自動販売機は、商品の譲渡になるので「第二種」です。

いっぽうで、飲食店の店内にある自動販売機は「飲食サービス業」に該当し、「第四種」に相当します。

 

このように取引の実態によって、判断されます。

カンタンには事業区分を判定できませんので注意しましょう。

 

簡易課税で複数の事業区分があるときはどうすればいい?

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雑収入があれば、ほとんどの事業者で複数の事業区分がありますよね。

 

複数の事業区分があるときは、特例がありまして、メインの事業区分に寄せることができます。

 

(2) 特例の計算

  1. イ 2種類以上の事業を営む事業者で、1種類の事業の課税売上高が全体の課税売上高の75%以上を占める場合には、その事業のみなし仕入率を全体の課税売上げに対して適用することができます。
  2. ロ 3種類以上の事業を営む事業者で、特定の2種類の事業の課税売上高の合計額が全体の課税売上高の75%以上を占める事業者については、その2業種のうちみなし仕入率の高い方の事業に係る課税売上高については、そのみなし仕入率を適用し、それ以外の課税売上高については、その2種類の事業のうち低い方のみなし仕入率をその事業以外の課税売上げに対して適用することができます。

国税庁:簡易課税の特例

 

たとえば事業区分2つある業者の場合。課税売上の割合が、第一種85%、第五種15%だとしましょう。

 

メインの事業区分が全体の75%を超えているので、第五種15%分の売上についても、第一種のみなし仕入率を適用できます。

 

第一種のみなし仕入率は90%なので、もっとも有利です。

 

つづいては、事業区分が3つ以上ある場合。

第二種と第四種の課税売上の合計の割合が75%を超えていれば、そのほかの事業区分のみなし仕入率は60%を適用できます。

 

どちらか少ないほうのみなし仕入率なので、今回は60%でした。

 

もちろん、これは特例の計算方法なので、適用しなくてもOKです。

「特例を使うと不利になってしまった」というケースもありますからね。

 

決算までに簡易課税で有利なのか考えてみよう

簡易課税を始めるにはスケジュールと帳簿の管理が重要です。

 

というのも、簡易課税を適用するには、「簡易課税制度選択届出書」を課税事業年度の前日までに提出するとされています。それで、翌期から「簡易課税」が適用される。

 

[提出時期]

適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで(事業を開始した日の属する課税期間である場合には、その課税期間中)

ただし、調整対象固定資産や高額特定資産の仕入れ等をした場合には、この届出書を提出できない場合があります。

国税庁:消費税簡易課税制度選択届出手続

 

3月決算の法人でいうと、3月31日までに「簡易課税制度選択届出書」を提出しなければいけません。それも3月31日が土日祝日であっても、3月31日までです。

 

残念ですが、ほとんどの中小企業は、決算時に簡易課税が有利になるか検討できないです。

決算月までに帳簿が出来上がっていないから。

 

法人税の申告書は、決算月から2か月後に提出するんです。

だから3月決算だと、法人税申告書の提出は5月で、決算の数字が固まるのも5月になってしまうケースが多いんですよね。

 

5月に「簡易課税を受けたほうが有利」と気づいたとしても遅いです。

「簡易課税制度選択届出書」は3月31日までに提出しなければいけないので。

 

「課税期間の特例」という裏技もありますが、これも2年縛りですし、申告書を作る回数が増えるため税理士報酬も上がります。

 

また高額な固定資産を買っていると、「簡易課税選択届出書」の提出がなかったこととみなされるケースもあります…。詳細は「簡易課税制度選択届出書の効力はどこまで?【調整対象/高額特定】」をどうぞ。

 

簡易課税はほかにも論点がまだまだあります。

 

とにもかくにも、毎月帳簿を作成して、決算月までに簡易課税を適用すべきか検討しないとダメですね。

 

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今回は以上でおわります。

 

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