すぐわかる!個別対応方式の区分の例をわかりやすく解説【消費税】

「個別対応方式の区分を知りたい」

「共通と非対、課対の違いは?」

「要件もわかりやすく教えて」

 

 

 

 

上記のような疑問に、会計事務所歴5年のホスメモがお答えします。

 

個別対応方式で税区分をすると、「これどっちだろう?」と悩むことが多いですよね。

そこでどのように区分を判断すればいいのか、詳しく解説しようと思います。

 

私自身、個別対応方式を適用している事業会社の帳簿を管理してきたので、どれが迷いやすいのかよくわかります。

 

この記事を読み終えれば、個別対応方式の区分で悩む時間が、ぐっと減るはずです。

ぜひ最後までお付き合いください。

 



個別対応方式の区分の例をわかりやすく解説

understand

 

 

 

 

個別対応方式では、課税仕入れをさらに3つに分類します。

 

  1. 課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの
  2. 非課税売上にのみ要する課税仕入れ等に係るもの
  3. 共通して要するもの課税仕入れ等に係るもの

 

※そもそも課税仕入れに該当しない不課税や非課税な取引は、上記のように分類しないです。

 

その課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額のすべてを、

  • イ 課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの
  • ロ 非課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの
  • ハ 課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等に係るもの

 に区分し、次の算式により計算した仕入控除税額をその課税期間中の課税売上げに係る消費税額から控除します。

国税庁:個別対応方式

 

1、課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの

課税売上にのみ要するものとは、課税売上を発生させるのに必要だった課税仕入れのことですね。

 

たとえば住居用の不動産と飲食店を運営している会社があるとしましょう。

飲食店の売上を発生させるために要したものといえば、「仕入」がありますが、これが「課税売上にのみ」の区分に該当します。

 

飲食店の売上は課税取引ですから、課税の売上を発生させるために必要だった課税仕入れはすべて「課税売上のみ」です。

 

ほかにも、店舗専用の電話回線代、家賃、水道光熱費、消耗品費等、が「課税売上のみ」。

 

ここで注意点です。

あくまで飲食店のみ要する課税仕入れが「課税売上のみ」に区分されます。

 

たとえば本社家賃は共通ですよ。

非課税売上と課税売上の両方に共通した課税仕入れなので。

 

区分を考えるときは、「この課税仕入れに対応する売上って、課税取引かな?」と意識するとわかりやすいと思います。

 

前提条件として、非課税や不課税取引を理解していないと、判断を間違えてしまうかもしれません。

ホスメモ:消費税の非課税と不課税の違いは?

2、非課税売上にのみ要する課税仕入れ等に係るもの

「非課税売上のみ」で代表的なものは、住居用の不動産に関連した費用ですね。

 

住居用の不動産収入って、非課税売上じゃないですか。

非課税売上を発生させるためにかかった課税仕入れのうち、非課税売上のみに要するものは「非課税売上のみ」で区分です。

 

たとえば、住居用不動産のエレベーター等のメンテナンス費用、修繕費、共用スペースの水道光熱費、管理会社に払う管理費や仲介手数料も「非課税売上のみ」です。

 

国の立場で考えると、区分がわかりやすいですかね。

国からすれば非課税売上だと消費税とれないです。でもそれにかかった課税仕入れ分の消費税を還付しないといけない。

 

「これだと国が損するな」というわけで、非課税売上のみに要した課税仕入れは「非課税売上のみ」に区分します。

 

事業者としては、消費税分を負担しているのに、仕入税額控除に含められないので損した気分になりますが。

ホスメモ:非課税売上の例はなに?

 

3、共通して要するもの課税仕入れ等に係るもの

「課税売上のみ」と「非課税売上のみ」以外の課税仕入れは「共通」で処理します。

 

いわゆるバスケットカゴの役割なので、課税売上のみと非課税売上のみの判定をして、どれにも当てはまらなかったときに「共通」を選べばOKです。

 

よくあるのは、会議費、接待交際費、福利厚生費、税理士等に払う支払報酬料ですかね。

 

ほぼないとは思いますが、損害賠償金の請求でかかった弁護士費用や諸費用は、不課税売上に対応する課税仕入れになりますが、これは「共通」で処理しますね。

 

詳しくは、記事の後半にあるよくある疑問にまとめたので読んでみてください。

仕入税額控除の計算で個別対応方式を適用する要件は?

hire-tax-accountant

 

 

 

 

まず前提条件として、仕入税額控除の計算で「全額控除」が適用できなくなる要件は、当課税期間中に

 

  1. 課税売上高が5億円超えるor
  2. 課税売上割合が95%未満

 

の場合でした。

※1年未満は月割りで計算

※「課税売上割合に準ずる割合」を適用中でも、判定は「課税売上割合」を使用

 

で、「全額控除」が使えないとなると、

 

  1. 個別対応方式 or
  2. 一括比例配分方式

 

で仕入税額控除を計算します。

個別対応方式の区分についてはさきほど説明した通りですね。

 

きちんと区分がわかれていないと、一括比例配分方式にされる件

個別対応方式で仕入税額控除を計算するのであれば、課税売上のみ、非課税売上のみ、共通の区分はきちんとしましょう。

 

でないと、個別対応方式ではなく、一括比例配分方式で仕入税額控除を計算されます。

 

(個別対応方式の適用方法)

11-2-18 個別対応方式により仕入れに係る消費税額を計算する場合には、その課税期間中において行った個々の課税仕入れ等について、必ず、課税資産の譲渡等にのみ要するもの、その他の資産の譲渡等にのみ要するもの及び課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものとに区分しなければならない。したがって、例えば、課税仕入れ等の中から課税資産の譲渡等にのみ要するものを抽出し、それ以外のものを全て課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに該当するものとして区分することは認められないのであるから留意する。(平23課消1-35により改正)

国税庁:個別対応方式の適用方法

 

たとえば仕入だけを「課税売上のみ」として、ほかの課税仕入はすべて「共通」で区分してしまうとか。

 

これだと、簡易的すぎて実態とは異なるので、個別対応方式ではなく一括比例配分方式を適用されるリスクが残ります。

 

このように考えていくと、個別対応方式を採用する税理士さんってかなり少ないのかなと思いますよね。

だって個別対応方式のほうが要件が厳しいし、区別するのがめんどうです。

 

私が見てきた事業者さんでも、「個別対応方式のほうが納税額が減るんだけどな」と思うケースがいくつかありましたが、たいていは「一括比例配分方式」でした。

 

個別対応方式を採用するのであれば、きちんと区分できる税理士さんを雇うか、自社の経理を育てないとだめですね。

最後によくある疑問だけまとめておきます。

 

個別対応方式の区分でよくある疑問

lay

 

 

 

 

個別対応方式の区分でよくある疑問をまとめました。

 

  1. 不課税売上に対応する課税仕入れは、どのように区分?
  2. 課税期間がズレてもOK?

 

1、不課税売上に対応する課税仕入れはどのように区分する?

不課税売上に対応する課税仕入れは「共通」で処理します。

 

Q 個別対応方式を適用する場合、不課税とされる損害賠償金を得るために要した交通費、弁護士費用などは、課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに該当するのですか?

A  課税の対象外となる損害賠償金を得るために要した課税仕入れは、個別対応方式を適用する場合においては、課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものとなります(基通11-2-16)。

国税庁:不課税売上げにのみ要する課税仕入れの税額控除

 

たとえば不課税売上に該当する損害賠償金を請求するまでにかかった弁護士費用等は「共通」です。

 

2、課税期間がズレてもOK?

個別対応方式で区分していると、売上を意識しますよね。

 

で、そのときに売上は翌期で計上していて、課税仕入れだけ当期で計上してもいいのかな?と疑問に感じることがあります。

売上と課税仕入れがおなじ課税期間でなくてもいいの?という具合に。

 

結論をいうと、売上と課税仕入れの課税期間がズレもOKです。

というのも、「課税資産の譲渡等に要するもの」とは、課税資産の譲渡等を行うために要したものではないからです。ようするに、売上を発生させた時点で必要だった課税仕入れではないということです。

 

なので期ズレしても大丈夫。

それにもし、「課税売上のみ」にようする予定だった課税仕入れが、結果的に「共通」で区分したほうが良かったときであっても、修正する必要はないです。

※調整対象固定資産は例外で調整します。

 

消費税って、その取引を行った時点で判定しますよ。

 

今回の記事はここで以上となります。

個別対応方式の区分については、この記事でどんどんアップデートさせていこうと思います。

 

またここまで読んでくれた方はお気づきだとおもいますが、消費税ってまじで複雑ですよね。

消費税法を熟知した税理士でないと、リスクの低い税務処理や節税対策も難しいのではないかと思います。

 

わたしもじつは法人を一つ運営していまして、税理士に依頼していたのですが、全然ダメでしたね。税理士を変更するときは、税理士ドットコムで複数の税理士に無料相談してからにしたほうがいいと思います。

 

いま税理士を変える経営者さんが増えていますよ。

 

優秀な税理士を顧問にすれば、税理士報酬が多少高くても、節税効果も大きくなるので、けっきょく経営者にお金が残りやすいです。

 

どのような税理士を選ぶかは経営者さんの自由です。

今、税理士に不安がある方は無料で相談してみましょう。

 

きっともっといい税理士さんに出会えるはずです。
⇒税理士への無料相談はこちらからどうぞ

多数のコメント、ありがとうございます(・∀・。)

share

タイトルとURLをコピーしました