非課税売上の例はなに?消費税が不利になるの?【課税売上割合】

 

「非課税売上の例が知りたい」

「非課税売上が多いと消費税が不利になる?」

 

会計事務所歴5年のホスメモ が、上記の疑問にお答えします。

 

消費税が非課税になる売上が多いと、課税売上割合に注意が必要です。

というもの、課税仕入れが100%で計上できなり、消費税の納税額が増えるから。

 

非課税売上はかなりの曲者なので、しっかりチェックしておきましょう。

 

非課税売上の例を一覧にまとめました。

非課税売上の例を一覧にまとめました。

 

勘定科目 消費税の説明
受取利息 関係会社間で貸付をすると高額になりやすい。
家賃収入 住居用の住宅貸付のみ。
固定資産売却益 土地の売却にかかる部分のみ。
有価証券売却益 課税売上割合の計算では、売却益の5%のみを計算にふくめる。
社会保険診療収入 健康保険が適用される医療による収入。
介護保険診療収入 介護保険が適用される医療による収入。

 

よくあるのは、住居用の家賃収入と土地の売却ですね。

土地売却の仕訳は複雑なので「不動産を売却したときの仕訳方法まとめ」で確認してください。

 

あと会社間同士で貸付をしていると、いっぽうは受取利息を計上するため、非課税売上が増えやすです。

 

他にも商品券の売買、助産師や火葬場のサービス等も非課税になります。業界ごとに論点が異なるので、不安な方は税理士さんに相談しましょう。

 

非課税売上が多いと消費税が不利になる

非課税売上が多いと消費税が不利になるのをご存知でしたでしょうか。

 

非課税売上が多いと、課税売上割合が95%を下回りやすくなり、結果として課税仕入れが全額計上できなくなるから。

 

消費税の計算は、課税売上ー課税仕入=納税額になるのですが、ここで注目するのは課税仕入です。

 

課税仕入にかかる消費税を全額控除する条件に、課税売上割合が95%以上であることという制限があるんですよ、じつは。

 

仕入控除税額の計算方法

課税期間中の課税売上高が5億円以下(注1)、かつ、課税売上割合が95%以上(注2)の場合

 課税期間中の課税売上げに係る消費税額から、その課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額の全額を控除します。

国税庁:仕入控除税額の計算方法

 

たとえば課税売上割合が80%であれば消費税の計算は、

 

課税売上ー(課税仕入×80%)=納税額となります。

 

つまり課税仕入が減ってしまうので、消費税の納税額が増えてしまうわけです。

 

課税売上割合の計算方法

課税売上割合はつぎの式から求めることができますよ。

 

分母の総売上高とは、国内における資産の譲渡等(※ )の対価の額の合計額をいいます(課税売上高と輸出による免税売上高、非課税売上高の合計額となります。)。

分子の課税売上高とは、国内における課税資産の譲渡等(※)の対価の額の合計額をいいます。これには、輸出による免税売上高が含まれます。 

※特定資産の譲渡等(「事業者向け電気通信利用役務の提供」及び「特定役務の提供」)を除きます。

国税庁:課税売上割合の計算方法

 

この式の分母にある「課税期間中の総売上高」には、非課税売上が含まれていますよね?

だから、非課税売上が多いと課税売上割合が下がりやすくなり、仕入れ税額控除の全額控除の要件を満たなくなるため、不利になるのでした。

 

売上が3,000万円を超えたら税理士に消費税申告を依頼すべき

売上が3,000万円を超えたら税理士に消費税の申告を依頼したほうが有利ですし、安心できます。

 

というのも、消費税の申告は論点が多過ぎて複雑だから。

 

たとえば売上が3,000万円であれば、簡易課税を適用したほうが有利になるか検討できます。

 

ほかには、課税売上割合が95%以上になるようにチェックもすべきですし、給与よりも外注費を増やして課税仕入れを増やすことも検討できますね。

 

経費のなかには、給与のように消費税がかからないものと、外注費のように消費税がかかるものがあるので、消費税がかかる経費を増やした方が節税になるんです。

 

このように節税対策をすれば、税理士に依頼したとしてもトータルで考えると損しないです。

 

売上が3,000万円以下なら自力で申告するものアリ

じつは消費税の申告は自力でもできます。

 

たとえば会計ソフトのfreeeでスタンダードプランorプレミアムプランを利用すれば、消費税の申告書も作成できるんですよ。詳細は会計ソフトの比較記事で確認してください。

もはや税理士を雇わなくても申告書は自分で作れる時代ですからね。

 

 

売上が3,000万円以下であれば、消費税額もそんなに高額にならないと予想されるので、会計ソフトを使って、自力で申告するものアリではないでしょうか?

 

ただし、気をつけてほしいのは消費税の納税義務の判定です。

 

消費税の納税義務は自分で確認

消費税の納税義務は、じぶんで確認しないといけません。

 

税務署から「あなたは今年、消費税の申告が必要になります」とはアナウンスされないんですね。

 

もし消費税を申告すべきところ、気づかないまま放置してしまうと税務調査が始まります。消費税無申告から始める税務調査は多いので気をつけてくださいね。

 

難しそうであれば税理士に相談しましょう。

税理士ドットコムなら無料で複数の税理士さんに相談できますよ。

 

まとめ:非課税売上の例を確認し、消費税を節税しよう

非課税売上が多くなると課税売上割合が下がり、仕入れ税額控除が全額控除できなくなるので、消費税の計算で不利になりましたよね。

 

だから非課税売上はよくチェックしておくべきでした。

 

とくに多いのは、住居用の家賃収入と土地の売却益。

土地の売却益に関しては高額なので、課税売上割合も一気に95%以下まで下がりやすくなりますよ。

 

会計ソフトを使えば消費税の申告書も作れますが、トータルで考えると税理士に依頼したほうが損しない場合が多いです。

 

消費税はかなり不利な税金なので、税理士に相談して節税対策を考えておきましょう。

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