「法人の青色申告の提出期限はいつ?」
「青色申告にするのに要件はある?」
「青色申告のメリットは?」
このような疑問にお答えします。なぜか会社設立しても青色申告承認申請書を出し忘れている経営者が多いです…青色申告はメリットしかないので、必ず期限内に提出してください(。・x・)ゞ
法人の青色申告の提出期限はいつ?
法人の青色申告承認申請書の提出期限は、会社設立日から3ヶ月以内までです。
青色申告の承認申請書
設立第1期目から青色申告の承認を受けようとする場合の提出期限は、設立の日以後3か月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までです。なお、この期限が休日等に当たる場合は、休日等明けの日が提出期限となります。
国税庁:新設法人の届出書類
じつは第一期の事業年度が終了するまでの期間も含まれていますが、3ヶ月以内に決算になる法人はそうそうないので、設立日から3ヶ月以内と覚えておけば問題なしです。
つづいて、青色申告の要件を確認しておきましょう。
青色申告の要件はある?
要件は2つありますが、誰でも満たせます。
- 税務署長に「青色申告承認申請書」を提出し、あらかじめ承認を受ける
- 法定の帳簿書類を備付け、取引を記録し、かつ、保存する
ようは、期限内で青色申告承認申請書を提出して、会計帳簿をつけて資料は管理しておけばOKです。
ちなみに資料の保存期間は7年間とながいので、捨てないでください。どうして7年間かというと、税務調査で最大過去7年分の資料を調査されてしまうからです。
保存が必要なもの 保存期間 帳簿 仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など 7年 書類 決算関係書類 損益計算書、貸借対照表、棚卸表など 7年 現金預金取引等関係書類 領収証、小切手控、預金通帳、借用証など 7年(※) その他の書類 取引に関して作成し、又は受領した上記以外の書類(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など) 5年 国税庁:資料の保存期間
法人で青色申告にするメリットは?
法人の青色申告はメリットしかないといってもいいです。
青色申告の特典をまとめてみました。
- 赤字を10年間繰り越せる
- 30万円未満の資産を一回で費用にできる
- 黒字から赤字に変われば、前期に払った法人税が戻ってくる
赤字を10年間繰り越せる
法人の青色申告では赤字を10年間繰り越せます。これってかなり有利な特典です。
過去の赤字は、今期から経費のようにつかえます。たとえば売上1,000万円、経費500万円のときに過去の赤字が500万円あれば、経費として使えるので、所得はゼロ円です。
ホスメモの試算表 | |
売上 | 1,000 |
衣装費 | 100 |
美容費 | 100 |
旅費交通費 | 100 |
通信費 | 100 |
接待交際費 | 100 |
経費合計 | 500 |
過去の赤字 | 500 |
所得 | 0 |
所得がゼロ円なので、法人税もゼロ円です。ただし、均等割という税金だけはたとえ赤字でもかかるので、都内なら最低でも7万円の税金は払うことになります。
それでも赤字を経費のように使えるってすごいですよね。しかも9年分です!
トランプ大統領は赤字を繰り越して税金を払ってこなかった!?
じつはアメリカのトランプ大統領は、この過去の赤字を利用して、全然税金を払ってきませんでした。
米共和党の大統領候補、不動産王ドナルド・トランプ氏(70)が最大18年間にわたり連邦所得税を支払っていなかった可能性があることが1日わかった。1995年にホテルなどの事業破綻で約9億1600万ドル(約930億円)の巨額損失を申告し、毎年5千万ドル以上の税額控除を受けていたとみられる。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が報じた。
かれの方法はシンプルで、定期的に大きな赤字を出して、黒字のときは過去の赤字を経費として使い所得をずっとゼロ円にしていくものです。
たとえば初年度に2000万円の赤字を計上し、その後、4年間は500万円ずつ黒字で申告をする。で、過去の赤字がなくなったら、また大きな赤字を作り、そのあとは黒字にする。
「そんなことできるの?」と思う方もいるかもですが、できちゃいます。たとえばレストランを1,000万円で買って、そのあと500万円で売却すれば、500万円の売却損ですよね?
これはちょっと大げさな例ですが、ようは、新しい事業投資をすればいいだけです。新しい事業は、利益が出るまでに時間が2~3年かかると思われるので、最初は赤字でも不思議ではないです。これが5年間ずっと赤字だとあやしいですけど。
なので、成長のために新しいビジネスに投資をしているという建前があれば、赤字はカンタンに作れます。でも意図的に赤字を作るのはリスクを負うのでやっちゃダメですよww
30万円未満の資産を一回で費用にできる
青色申告にすれば、30万円未満の資産を一回で費用にできます。
中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成18年4月1日から平成32年(2020年)3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます。
「だからなに?」と思われる方もいるかもですが、税法では、10万円以上のモノを買えば、一回で全額費用にできません。数年間にわたって、費用にします。
たとえば30万円のパソコンを買えば、3年間で10万円ずつ経費にしていきます。お金は30万円すでに払っているのに、全額経費になるのは3年後になってしまうのは不利ですよね。
そこで青色申告にすれば、30万円未満のモノでも一回で費用にできます。ただし、上限は年間で300万円までです。
またこの特例を適用できるのは、従業員が1,000人以下の青色申告法人だけです。まあ、ほとんどの法人で適用できてます。
この特例の対象となる法人は、青色申告法人である中小企業者又は農業協同組合等で、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人に限られます。
黒字から赤字に変われば、前期に払った法人税が戻ってくる
法人の青色申告では、前期が黒字→今期は赤字になると、前期に払った法人税が戻ってきます。
青色申告書である確定申告書を提出する事業年度に欠損金額が生じた場合(以下、この事業年度を「欠損事業年度」といいます。)において、その欠損金額をその事業年度開始の日前1年以内に開始したいずれかの事業年度(以下「還付所得事業年度」といいます。)に繰り戻して法人税額の還付を請求できるというものです。
国税庁:欠損金の繰り戻し還付
たとえば前期の所得が100万円で今期は100万円の赤字だとすれば、前期に払った法人税が返金されます。
ただし、これは法人税や地方法人税だけの話しで、法人にかかる税金は全部で5種類あるので、ほかの税金については、返金ではなくて、控除で処理されます。
まとめ:法人はかならず青色申告にしましょう
法人は青色申告にしないと損してます!かくじつに青色申告にしてください。
もう一度、法人の青色申告のメリットをまとめるとこうなります。
- 赤字を10年間繰り越せる
- 30万円未満の資産を一回で費用にできる
- 黒字から赤字に変われば、前期に払った法人税が戻ってくる
また提出期限は、会社設立日から3ヶ月以内です(・ω・ゞ
なぜか遅れてしまう人が多いので、忘れないでくださいねww
それでは今日はここまでにします。
日々成長していきましょう!
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