「結婚した場合の年末調整はどうなる?」
「12月に結婚した場合は?」
「共働きのときは?」
上記のような疑問に、会計事務所歴5年のホスメモがお答えします。
結婚した妻や旦那さんを扶養にするときは、配偶者控除等がとれるので節税になりますよ。
12月末時点で判定するので、11月に結婚していなくても年収要件等され満たせば配偶者控除の適用はOKです。
このように年末調整で節税できるかどうかは、ケースバイケースで税金の仕組みを理解している人だけが恩恵を受けやすいです。
この記事を読むことでさらに詳しく、年末調整の節税方法を学べます。
仕事をつづけるかぎり年末調整は毎年行うので、早い段階で知っていたほうが人生をイージー化できますよ。ぜひ最後までお付き合いください。
結婚した場合の年末調整はどうなるの?共働きは?
結婚した場合の年末調整について、論点をまとめてみました。
- 12月末時点で判定する
- 生命保険控除は年収の高い人に寄せる
- 配偶者の年収によって配偶者控除を適用できるか否か
年末調整で検討すべきなのは配偶者控除だけではありませんよ。
生命保険控除や扶養控除を年収が高いほうに寄せるだけでも大きな節税になります。
年末調整で節税できるかどうかで、所得税と住民税の両方が節税になるのでインパクト大です。
1、12月末時点で判定する
年末調整で申告する内容は12月末時点の情報です。
個人事業主の事業年度と同じで、1月1日から12月31日と区切っているからなんです。
法人だと3月決算とか、法人ごとに事業年度の開始日を選べるのですがね。
話しを戻して、たとえば12月に結婚したときに、配偶者の年収要件等を満たしているのであれば、配偶者控除の対象になりますよ。
年末調整の情報を提供した11月時点で、結婚していなくても大丈夫です。
逆に12月に離婚してしまうと、これまでの配偶者控除も受け取れなくなります。税金を考えると翌年の1月に離婚したほうが有利。
つまり12月末時点でどうなのか、がすべてです。
2、生命保険控除は年収の高い人に寄せる
生命保険、介護保険、学資保険等に入っていると思いますが、生命保険控除の申告は年収が高い人に寄せたほうがいいですよ。
たとえ契約者や名義人が配偶者になっていても、実際に支払いをしている方が控除の申告ができるとされています。
Aがその保険料を支払ったことを明らかにした場合は、生命保険料控除の対象として差し支えありません。
生命保険料控除は、居住者が一定の生命保険契約等に係る保険料又は掛金を支払った場合に総所得金額等から控除することができます(所得税法第76条第1項)。この生命保険契約等については、その保険金等の受取人の全てがその保険料等の払込みをする者又はその配偶者その他の親族(個人年金保険契約等である場合は、払込みをする者又はその配偶者)でなければなりませんが、必ずしも払込みをする者が保険契約者である必要はありません(所得税法第76条第5項、第6項)。
したがって、保険契約者が保険料を支払うのが通例ですが、契約者の夫であるAが支払ったことを明らかにした場合には、Aの生命保険料控除の対象となります。
なお、保険料を誰が負担するかによって、将来受け取る保険金の課税関係が異なる(贈与税又は一時所得として課税が生じる)ことに注意が必要です。
たとえばあなたの年収が400万円で、配偶者は年収が200万円、そして配偶者の名義で生命保険料が5万円あるとします。
名義人は配偶者であっても、実際に支払っているのがあなたであれば、5万円の生命保険料はあなたの年末調整で申告できますよ。
所得税は累進課税なので、年収が高い人ほど所得税が高くなります。
また所得控除の仕組みでは、控除額が同じであっても、たとえばおなじ扶養控除の38万円でも、所得が高い人のほうが節税額が多くなります。
「扶養控除で手取りはいくら増える?年収別早見表【2020年】」の早見表で一番左の節税額を見てもらえるとわかります。
年収が増えるほど節税額が増えていますから。年収4400万円あたりが節税額の最大値ですかね。
3、配偶者の年収によって配偶者控除を適用できるか否か
配偶者控除には要件がいくつかあって、配偶者の条件はこちらです。
- 民法上の配偶者に該当する
- 納税者と生計を一にしている
- 年間の合計所得金額が48万円以下(給与103万以下)
- 青色専従者で給与をもらっていない又は白色専従者ではない
いっぽうで納税者本人の条件もあって、
- 合計所得金額が1,000万円以下
でないと配偶者控除を受けれません。
結婚するまで共働きだとすれば、5月あたりで仕事を辞めると、ぎりぎり配偶者控除の対象になりそうですね。毎月給与が20万円だとして。
税金を中心に考えて結婚時期は決めないと思いますが、こんなことも検討できるんですよ。
結婚した場合は確定申告で医療費控除も受けやすくなる
生命保険控除等と同じ考え方で、医療費控除も親族の分を負担していたら、その人の控除で申告できます。
それも所得金額の要件ないです。これは規定がゆるいですね。
共働きで生計が一つのときの医療費控除
当該夫婦が生計を一にしている場合は、医療費を実際に支払った夫の医療費控除の対象となります。
医療費控除は、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払った場合に適用することとされており、この場合の配偶者その他の親族の範囲については、所得金額の要件は付されていません(所得税法第73条第1項)。
したがって、所得を有する親族のために支払った医療費であっても、その親族が医療費を支払った者と生計を一にする者であるときは、その医療費を支払った者の医療費控除の対象となります。
たとえば共働きだの世帯で、ふたりとも年収が400万円だとして、それぞれ7万円ずつ医療費を払ったとします。これを足し合わせて14万円として、どちらかの医療費控除で申告できます。
控除対象額は10万円を超えてからなので4万円ですね。医療費控除は上限が200万円までなので、入院や手術したときはかならず申告しましょう。
注意点は医療費控除は確定申告のみで受付可能で、年末調整ではできません。
医療費控除の申告手順
医療費控除の申告手順はとてもカンタンで、「医療費控除の明細書」を添付して確定申告をすればいいだけ。
病院ごとの医療費を集計するのだけがめんどうだとおもいますが、あとはすぐです。
会計ソフトのfreeeを使えば、医療費控除を含めた確定申告もすぐにできるので、自力で申告される方はお試しあれ。
けっきょくギリギリまでなにもしない人がほどんどなので、12月中には医療費を集計して、年末に申告書まで作っておくと安心です。
まとめ:結婚した場合の年末調整で節税が可能です。医療費控除も合わせて検討しましょう
結婚した場合の年末調整の論点はこちらでした。
- 12月末時点で判定する
- 生命保険控除は年収の高い人に寄せる
- 配偶者の年収によって配偶者控除を適用できるか否か
そして結婚してからは医療費控除も受けやすくなるので検討すべきでしたよね?
医療費控除の詳しい手順は「医療費で損しない!確定申告で税金が安くなります【医療費控除】」にまとめてあります。今のうちに学んでおくと今後の人生がイージー化します。
税金は一生払い続けますからね。
ちなみにインプラントとかも医療費控除の対象ですよ。