「会計ソフトでできることはなに?」
「会計ソフトは必要なの?」
会計事務所歴5年のホスメモ が上記の質問にお答えします。
会計ソフトでできることは、集計です。
集計だけだとエクセルで関数を組み込めば、十分対応できます。
いっぽうでクラウド型の会計ソフトになれば集計だけではなく、自動化、効率化の付加価値がつきますよ。
会計ソフトでできないこと
会計ソフトだけではできないことをまとめてみました。
- 消費税区分のチェック
- 財務分析
いわゆるチェック業務と、数字を読み解いて仮説を立てることは、会計ソフトだけではできません。人間が考える仕事ですね。。
1、消費税区分のチェック
消費税区分のチェックは会計ソフトだけではできないです。
というもの、消費税法の規定でまだまだ行き届いていない部分やあいまいな点があるから。
だから国内でタクシーに乗ったから、勘定科目は旅費交通費で消費税区分は課税仕入れになるとはかぎりません。
タクシーの目的が接待をともなうものであれば、接待交際費にすべきですし、個別対応方式であれば、共通課税仕入れになるかもしれません。
上記のような判断って、事業者ごとに状況が違うのでケースバイケース。
実務では最高裁の判例をもとに、もっともリスクが低い処理方法を選ぶこともあります。
これって、会計ソフトで判断するのは難しそうですよね?
税金の法律と照らし合わせて会計処理を考えることも多いので、会計ソフトだけでは判断んできないんです。
2、財務分析
財務分析をして正しい経営判断を導くことは、会計ソフトだけではできないですよね。
たとえば飲食店で、売上が1000円、仕入れが300円、人件費が500円だったとしましょう。
売上に対して人件費が50%も計上されているので、あきらかに高いことがわかります。
であれば、なぜ人件費が高いのか考えます。
- 従業員の数が多いのか
- 残業代がかさんできるのか
- 賞与を出したから高いのか
- いつもより売上が伸びなかったのか
いろいろ原因はありますよね。
このように決算書から経営状況を推論するのは人間の仕事です。
会計ソフトはただの集計ソフトなので、ここまではできません。
だから人間は、決算書から経営状況を深堀する力を身につけるべきともいえますね。
つづいては会計ソフトができることをまとめたいと思います。
会計ソフトにできること
会計ソフトにできることはこちらです。
- 集計
- 他のソフト等の連動による自動仕訳
1、集計
会計ソフトというものは、集計ソフトであるともいえます。
けっきょく仕訳から勘定科目の金額を集計しているだけですからね。
そして仕訳のデータを元に、下記のような会計帳簿にデータが転記されます。
- 売上台帳
- 現金出納帳
- 総勘定元帳
- 損益計算書
- 貸借対照表
すべての帳簿は連動していますので、あたらしい仕訳を1つ作れば、すべての会計データで再集計されるわけです。
「エクセルでも管理できそう」と感じた人もいるとおもいますが、そのとおりで、現金出納帳や仕訳日記帳は、簡単にエクセルで作成できます。
だけれど、貸借対照表や損益計算書への連動を考えるとけっこう大変。
さいきんの会計ソフトは、帳簿作成以外にも申告書の作成まで対応しているので、会計ソフトを使った方が効率的だと思います。
2、他のソフト等の連動による自動仕訳
クラウド型の会計ソフトでは、データ連動ができるため仕訳の自動化させることができます。
たとえばクレジットカードと会計ソフトを同期すれば、クレジットカードの取引情報がすべて会計ソフトに反映されます。
あとはぽちぽちと承認ボタンを押すだけで、仕訳が作られる仕組みです。
これのメリットは、
- クレジットカード取引の仕訳を自動化できること
- 取引内容の確認が容易になること
ですね。
クレジットカード以外にも、
- 請求書ソフト
- 給与計算ソフト
- インターネットバンキング口座
などとデータ連動ができるので、ますます効率化していきます。
会計ソフトを使うのであれば、クラウド型の会計ソフトで経理を自動化していくのがおすすめです。
まとめ:会計ソフトにできること、できないことを見極めて活用しよう
会計ソフトにできないことはこちらでした。
- 消費税区分のチェック
- 財務分析
いわゆる税法に照らし合わせて考えるべき会計処理と、決算書の数字から読み取れる仮説を考える力でしたね。
いっぽうで会計ソフトにできることといえば、
- 集計
- 他のソフト等の連動による自動仕訳
つまり、会計データの作成と経理の効率化でした。
いまから会計ソフトを導入されるかたは、決算書を読み解く力をつけつつ、経理の自動化に力をいれるとビジネスがうまく回るとおもいますよ。
質問等があれば、TwitterにDMか記事にコメントいただければお答えしますのでぜひ。