「貸倒損失の仕訳が知りたい…」
「売掛金が回収できないときは貸倒て平気?」
上記のような疑問に答えします。
貸倒損失の仕訳方法
売掛金が回収できなかったときは貸倒損失を計上することになります。
パターンとしては2つですね。
- 貸倒引当金があるとき
- 貸倒引当金がないとき
貸倒引当金があるとき
限度額まで貸倒引当金を計上していたときは、この残高をゼロにして、差額は貸倒損失になります。
たとえば100万円の売掛金が貸倒れたとしましょう。
で貸倒引当金は1万円計上されているとします。
仕訳にしますね。
日付 | 借方 | 借方金額 | 税区分 | / | 貸方 | 貸方金額 | 税区分 | 摘要 |
12/31 | 貸倒引当金 | 10,000 | – | / | 売掛金 | 1,000,000 | – | 一括評価 |
貸倒損失 | 990,000 | / | 貸倒 |
上記のように、貸倒れた売掛金と貸倒引当金の残高をゼロにして、差額は貸倒損失になります。
この仕訳を作成したあとは貸借対照表で、売掛金と貸倒引当金の残高を確認してくださいね!
残高管理が非常に重要なので。
貸倒引当金がないとき
貸倒引当金がないときは、回収不可能になった売掛金の残高をゼロにして貸倒損失を計上します。
たとえば取引先Aの売掛金が100万円あり、全額貸し倒れたとしましょう。
仕訳にするとこんなかんじ。
日付 | 借方 | 借方金額 | 税区分 | / | 貸方 | 貸方金額 | 税区分 | 摘要 |
12/31 | 貸倒損失 | 100万 | – | / | 売掛金 | 100万 | – | 貸倒損失 |
貸倒引当金がないときは、売掛金を減らすだけなので仕訳はカンタンですよね。
このように貸倒損失を仕訳にするのはとくに難しくはないです。
むしろ、ほんとうに貸倒損失を認識すべきなのか、これを判定するほうがずっと難易度が上がりますよ。
貸倒損失を計上できると判断するには?
貸倒損失できると判断されるのは下記の3つのパターンです。
- 金銭債権が切り捨てられた場合
- 一定期間取引停止後弁済がない場合等
- 金銭債権の全額が回収不能となった場合
国税庁:貸倒損失として処理できる場合
ようするに、
- 債権を正式に放棄
- 債務者が飛んでしまい、連絡がつかなくなってしまった
- 債務者が自己破産等をして債権の回収が不可能と考えれる
ときに貸倒損失を計上できます。
しかし、この貸倒損失は証憑を集めるのが大変なんですよね。
なぜかというと、相手から証憑をもらえないケースが多いのでじぶんで証憑となる資料を集めないといけないから。
たとえば1年上にわたって売掛金を滞納されてしまい、貸倒損失を計上するのであれば、請求書、売掛帳、通帳明細、請求書の郵送記録等を用意すべきです。
こんな感じで貸倒損失を計上するときは、証憑をじぶんで集めないといけないのでけっこう手間。
税務署からつっこまれやすい論点でもあるので、きちんと記録は残しておきましょう。
まとめ:貸倒損失の仕訳はシンプルですが、計上すべきか判断するのは難易度高めです
売掛金が回収できなかったときは貸倒損失を計上することになりました。
仕訳のパターンとしては2つです。
- 貸倒引当金があるとき
- 貸倒引当金がないとき
ほとんどの方は貸倒引当金を計上していないとおもうので、売掛金を減らし貸倒損失を計上する仕訳をつくればOKです。
できれば貸倒たくはないですよねw
売掛金を滞納し始めた取引先がいれば、早いところで手を打った方がいいですよ。