「寄付金と交際費の違いは?」
「消費税はかかるの?」
「祝い金は交際費?」
このような疑問にお答えします。
寄付金と交際費の違いは目的です
寄付金の交際費の違いをまとめました。
寄付金 | 交際費 | |
相手 | 事業に関係しない者 | 事業に関係する者 |
目的 | 見返りは期待しない | 見返りを期待する |
上記の違いを意識しながら、寄付金っぽい経費の例をみていきましょう。
寄付金、交際費、広告宣伝費の例
寄付金っぽい例をまとめてみました。
勘定科目 | 具体例 | 消費税 |
寄付金 | 大学、赤十字、お寺、神社への寄付、見舞金 | 不課税 |
モノを寄贈をしたとき | 課税 | |
交際費 | お見舞金、お祝い金、慶弔費、 | 不課税 |
福利厚生費 | 従業員の結婚お祝い金、お見舞金 | 不課税 |
広告宣伝費 | お祭りの協賛金(パンフレット等で企業PRができる) | 課税 |
寄付金は、事業とは関係ない人に見返りを求めずにお金をあげることなので、大学やお寺や赤十字への寄付が代表例です。
寄附金とは、金銭、物品その他経済的利益の贈与又は無償の供与をいいます。
一般的に寄附金、拠出金、見舞金などと呼ばれるものは寄附金に含まれます。
ただし、これらの名義の支出であっても交際費等、広告宣伝費、福利厚生費などとされるものは寄附金から除かれます。
国税庁:交際費等と寄附金との区分
一方で、事業に関わりある人に見返りを求めてお金をあげるときは交際費ですね。
相手先が従業員なら福利厚生費でもいいと思います。
交際費等とは、得意先や仕入先その他事業に関係のある者に対する接待、供応、慰安、贈答などの行為のために支出する費用をいいます。
国税庁:交際費等と寄附金との区分
「勘定科目なんて、なんだっていいじゃん」と思いがちですが、法人だと寄付金と交際費に上限があるので、規模の大きい法人はきっちり分けておきたほうが有利ですよ。
国や地方公共団体への寄附金と指定寄附金はその全額が損金になり、それ以外の寄附金は一定の限度額までが損金に算入できます。
国税庁:寄附金を支出したとき
寄付金は全額損金算入ではないです
寄付金は、種類によっては限度額があるものもあります。
学校や赤十字などのへの寄付は全額損金参入なんですけどね。
表にまとめましたのでご確認ください。
寄付金の種類 損金算入の範囲 国や地方公共団体への寄付金・指定寄付金 全額損金算入 政治活動に関する寄付金・一般の寄付金 損金算入限度額の範囲内で損金算入
金それ以外の寄付金 寄付金の合計額と特別損金算入限度額のどちらか少ないほう 国税庁:寄附金を支出したとき
つづいて、寄付金の消費税を確認していきます。
寄付金や交際費の消費税の判断方法は?
消費税が課税なのか判断するには「対価性があるか」を考えましょう。
消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行われる取引に課税されます。この「対価を得て行われる」とは、資産の譲渡、資産の貸付け及び役務の提供に対して反対給付を受け取ることをいいます。
国税庁:「対価を得て行われる」の意義
たとえば商品を売って代金を受け取る、事務所を貸し付けて家賃をもらうなどは、対価を払ってお金をもらっているので消費税が課税になります。
一方で寄付金や補助金、宝くじの賞金などは対価のない取引になるため、消費税が課税されないんです。
寄附金や補助金などは、一般的には対価性がありませんので、課税の対象とはなりません。
また、無償の取引や宝くじの賞金なども原則として課税の対象になりません。
国税庁:課税の対象
ただし、対価性があれば寄付金でも消費税を課税にできちゃいます。
たとえば「寄付をすると割引サービスを受けれる」といった特典があるときですね。
このように考えていくと、消費税の区分はケースバイケースになりがちです。
ややこしいですが、消費税の区分はよく検討してから仕訳にしてください。
寄付金の仕訳
法人が出した寄付金の仕訳はこれです。
日付 | 借方 | 借方金額 | 税区分 | / | 貸方 | 貸方金額 | 税区分 | 摘要 |
4/1 | 寄付金 | 50,000 | – | / | 現金 | 50,000 | – | 日本赤十字社 |
寄付金という勘定科目で処理してください。
一方で個人事業主の場合は、寄付金は経費ではなくて、税額控除の対象になります。
国民健康保険料や国民年金が経費にならないのとおなじですね。
寄付金は確定申告のときに税金を下げれるので、それまでとっておけばOKデス。
「それでも記録のために仕訳にしたい…」という方は事業主貸で処理しておきましょう。
日付 | 借方 | 借方金額 | 税区分 | / | 貸方 | 貸方金額 | 税区分 | 摘要 |
4/1 | 事業主貸 | 50,000 | – | / | 現金 | 50,000 | – | 日本赤十字社 |
まとめ:寄付金は勘定科目と消費税に気をつけてください
寄付金っぽい経費は勘定科目の分け方が微妙に複雑でした。
とくに法人の場合、交際費と寄付金は限度額があるので勘定科目はきちんと分けれるようにしましょう。
また寄付金は消費税も間違えやすいです。
きほんてきには寄付に対価性はないので不課税になりますが、モノを寄贈したときは課税で処理できるケースもあります…
複雑ですが、もっとも有利な処理ができるようになってください。