「法人化するので個人事業主を廃業したい」
「どんな書類を提出すればいい?」
このような疑問にお答えします。個人事業主が法人化するときは、個人事業の廃業届を提出します。また年度の途中で廃業をすれば、1年後に確定申告が必要になるので忘れないようにしてください。
法人化するまえに個人事業主は廃業届を提出しましょう
個人事業主が法人化するときは、個人事業を廃業します。そのときに提出する書類をまとめました。
- 事業廃止届出書
- 個人事業の廃業届出書
- 給与支払事務所等の廃止届出書
- 所得税の青色申告の取りやめ届出書
- 所得税等の減額申請書(予定納税がある方)
事業廃止届出書
消費税の納税義務者は、廃業するときに「事業廃止届出書」を提出しましょう。これを出しておけば、消費税の納税者ではないことが税務署に通知されます。
税務署から電話が来るのってドキッとしますから、確認の電話が来る前に「事業廃止届出書」を提出しておくといいですよ。
一方で消費税の納税義務者ではない方は提出する必要はないです。
個人事業の廃業届出書
個人事業を廃業する方は全員提出します。
個人事業を辞めたという事実を証明する書類にもなるので、手間かもしれませんがキチンと提出しておきましょう。
給与支払事務所等の廃止届出書
従業員を雇ってたら給与支払事務所の開設届出書を提出していると思います。これも廃止する旨を伝えるために書類を提出しないといけません。
じつは税務署は給与支払事務所の届出書を参考に、源泉所得税の徴収を管理しています。なので、もし給与支払事務所の廃止届出書を提出していないと、税務署側はあなたが源泉所得税を滞納していると勘違いしてしまいます。
源泉所得税は国税ですので、取り締まりも厳しく、しょっちゅう税務署からおたずねの電話がくるので注意してください。
所得税の青色申告の取りやめ届出書
青色申告だった個人事業主さんは「所得税の青色申告の取りやめ届出書」も提出できます。
とはいえ、これはわざわざ提出しなくてもいいのかなと思いますよ。
個人事業を一旦廃業して、そのあと新しく個人事業を始める方もおられますよね?このときに青色申告がまだ適用できるかもなので、廃止届は出さないほうがいいくらいです。
実際に青色申告が適用されていたケースがありました。でもかならず税務署に確認の電話はしてくださいね。「個人事業を一度廃業しているなら青色申告も取りやめになります」といわれてしまうかもですので…
所得税等の減額申請書(予定納税がある方)
個人事業を廃業していても予定納税はかかってしまうので、予定納税がある方は「所得税等の減額申請書」も提出しておきましょう。
予定納税が必要になってくるのは、前年度の所得税の納税額が15万円以上の方です。
その年の5月15日現在において確定している前年分の所得金額や税額などを基に計算した金額(予定納税基準額)が15万円以上である場合、その年の所得税及び復興特別所得税の一部をあらかじめ納付するという制度があります。この制度を予定納税といいます。
国税庁:予定納税
すでに廃業したのに、税金を前払いするのは不利なので予定納税がある方は「所得税等の減額申請書」も提出しておきましょうね。
個人事業主は廃業後に確定申告が必要になりますよ
すべての個人事業主が対象ではないですが、廃業後に確定申告が必要になりますので注意しましょう。
たとえば個人事業主が8月末に廃業をしたとしましょう。1~8月までは普通に営業をしていて、売上が毎月50万円くらいあります。このようなケースでは翌年に確定申告が必要になりますよ。
一方で12月31日に廃業したり、1年間で38万円を超えて売上が出ていなければ(まずありえないですが)、確定申告は不要です。
廃業後の確定申告は忘れやすいので注意してくださいね。
まとめ:個人事業主が廃業したあとは確定申告も忘れずに
個人事業主が廃業をするときに提出する書類がこれでした。
- 事業廃止届出書
- 個人事業の廃業届出書
- 給与支払事務所等の廃止届出書
- 所得税の青色申告の取りやめ届出書
- 所得税等の減額申請書(予定納税がある方)
めんどうかもですがこれらの書類を提出しておかないと、税務署から確認の電話がきたり、督促状が届いてしまったりします。
税務署から連絡が来るのはだるいですので、廃業をするときはキチンと書類を提出しておきましょう。
さて今日はおしまいです。