「住民税非課税世帯とは?」
「いくらで住民税非課税世帯になれる?」
「コロナの給付金を受けるための対策は?」
上記のような疑問におこたえします。
いくらで住民税非課税世帯になる?
住民税非課税世帯とは、その名のとおり、世帯家族全員の住民税が非課税であることです。
世帯で判定されるので、たとえばあなたの住民税が非課税であっても、おなじ世帯の家族に住民税が課税されていれば、住民税非課税世帯にはなりません。
先日、住民税非課税世帯を対象にコロナの給付金を配ると発表されましたが、、、かなり対象が狭いのがご理解いただけると思います。
「でもいくらで住民税が非課税になるの?」と疑問に思う方も多いはずなので、詳しく解説しますね。
1、所得の種類を把握する
税金の計算では、所得が基準とされるのでまずは所得がいくらになるのかを計算します。
で、この所得は、稼ぎ方によって全部で10種類に分類されるんですよね…
No | 所得の種類 | 説明 |
1 | 利子所得 | 預貯金や公社債の利子などの所得 |
2 | 配当所得 | 株式や出資の配当などの所得 |
3 | 不動産所得 | 土地や建物などの不動産貸付けによる所得 |
4 | 事業所得 | 農業、漁業、商工業などの事業による所得 |
5 | 給与所得 | 給料や賞与などの給与等にかかる所得 |
6 | 退職所得 | 退職手当や退職一時金などの所得 |
7 | 山林所得 | 山林や立木の譲渡による所得 |
8 | 譲渡所得 | 土地、建物、ゴルフ会員権などの資産譲渡による所得 |
9 | 一時所得 | クイズの賞金、競馬の払戻金、生命保険の返戻金など
の一時的な所得 |
10 | 雑所得 | 上記の所得にあてはまらない、年金などの所得 |
参照:年収と所得の違いは?扶養の判定基準はどっち?【合計所得金額】
たとえばサラリーマンであれば給与をもらっているので給与所得、個人事業主であれば基本的には事業所得、不動産オーナーは不動産所得というかんじです。
これらの所得をあわせて「合計所得金額」といいますよ。
助成金や扶養控除の適用判定では、いつも合計所得金額が基準とされているので、ここまでの計算方法は理解しておいたほうが今後の人生で損しないですw
2、住民税が非課税になるか確認
さて合計所得金額が計算できたあとは、住民税が非課税になるのか判定をします。
じつは、住民税は2つの税金の合計額です。
- 均等割
- 所得割り
で、均等割のほうが所得が低くても課税されるケースがほとんどなので、住民税の均等割で非課税になるかを検討していきましょう。
判定要素は、
- 合計所得金額
- 扶養親族、配偶者の人数
です。下記の表をご覧ください。
前年中の合計所得金額が、次の算式で求めた金額以下のかた
31万5千円×(本人と同一生計配偶者、扶養親族の合計人数)
- 扶養親族等がいる場合は、上記の金額に18万9千円が加算されます
(注)令和元年度からの税制改正により、控除対象配偶者は、同一生計配偶者に変更
扶養親族等 の合計人数
均等割非課税規定該当 所得金額
均等割非課税となる 給与収入金額
均等割非課税となる公的年金収入金額 65歳未満 65歳以上 1人 (本人のみ)
315,000円 965,000円 1,015,000円 1,515,000円 2人 (扶養1人)
819,000円 1,469,000円 1,592,000円 2,019,000円 3人 (扶養2人)
1,134,000円 1,879,999円 2,012,000円 2,334,000円 4人 (扶養3人)
1,449,000円 2,327,999円 2,432,000円 2,649,000円 5人 (扶養4人)
1,764,000円 2,779,999円 2,852,000円 2,964,000円 6人 (扶養5人)
2,079,000円 3,227,999円 3,272,000円 3,279,000円 (注意)平成23年度までは、控除対象配偶者・扶養親族の人数になります。平成24年度からは、16歳未満の扶養親族を含む人数になります。
(注意)均等割非課税規定については、生活保護法の規定による級地区分に準じており、柏市は2級地に該当します。このため、1級地または3級地の市区町村に転出等された場合には、課税関係が異なる場合が生じます。
柏市:住民税が非課税の方
たとえば合計所得金額が30万円で、扶養親族等がない個人事業主は、住民税が非課税になります。315,000円より下回っているので。
もうひとつ例をあげると、奥さんと3歳の子どもがいる個人事業主は、315,000×3+189,000×1=1,134,000円が住民税非課税限度額になるので、所得がこの数字より下回ればOKデス。
あと気をつけてほしいのは、住民税は地方税になりますのでお住まいの自治体ごとに基準額が若干ことなります。
今回取りあげた柏市では、315,000円が基準額となっていますけれど、ほかの自治体では350,000円になっていたりしてバラバラです。
お住まいの市役所で「住民税非課税世帯の所得金額について教えてもらえますか?」と電話するのが確実ですね。
続いては、どのようにして住民税非課税世帯になれるのか考えていきます。
住民税非課税世帯になるにはどうすればいい?
住民税非課税世帯になるには、
- 世帯分離をする
- 所得を下げる
の2つのアプローチが必要です。
1、世帯分離をする
もし親と同居していて、ご自身に収入がある方であれば、世帯分離をしたほうがいいですよ。
世帯分離をすれば、ご自身の所得要件さえ満たせれば、住民税非課税世帯になりますからね。たとえお一人だけの世帯であったとしても。
また同じ住所にお住まいだったとして、世帯分離はできます。
ただし、世帯分離をする理由は聞かれるとおもいますので、準備しておくといいですよ。
「生計を分けるため」でいいと思いますが。
ちなみに、この手法は介護をされている方がよく使います。
高齢者の医療費自己負担額は、住民税非課税世帯のほうが圧倒的に有利ですからね。
今回のコロナ給付金、高等教育無料化で給付金をもらうためにも、世帯は分けておいたほうがいいと思います。
2、確定申告で所得を下げよう
所得を下げるには、確定申告で経費や青色申告特別控除等を計上するしかないです。
経費をいれるといっても、生活費を経費として計上することはできないですよ。
あくまで売上を発生させるために必要と思われるものしか、経費になりませんので。
参照:一目でわかる!個人事業主が使える経費一覧まとめ【確定申告】
なので、備品とかを前倒しで購入するのはアリですね!
たとえばフリーランスエンジニアが買い替えようと思っていたパソコンを前倒しで買う、とか。
ただし備品は10万円以上超えると、原則資産計上しなければいけないので注意してください。
参照:いくらから固定資産で計上する?【10万/20万/30万】
経費計上以外の方法では、青色申告にして65万円の控除を受けたほうがいいですよ。
申請書を一枚だして、会計ソフトで帳簿を管理し、期限内に確定申告するだけで要件は満たせるので。
しかも青色申告にすれば、赤字の繰越もできるので、より住民税非課税世帯の要件に近づけます。
参照:会計ソフトを使えば65万円控除が受けれる?【青色申告】
まとめ:住民税非課税世帯になるには、所得を下げて世帯分離をすべき
住民税非課税世帯は、その名のとおり、世帯で判断されるので住民税が課税の方と世帯がおなじだと要件は満たせません。
なので世帯分離を検討したほういいのでした。
で、つづいては所得の要件でしたね。
住民税は均等割と所得割りに分かれますが、均等割の非課税限度額のほうが低いので、均等割が非課税になれば、住民税全体も非課税になるケースが多いです。
住民税は地方税に区分され、自治体ごとに非課税限度額が異なります。
計算方法は同じなんですけれど、控除される金額はそれぞれで決めれるんですよね。
なので、お住まいの市役所等で「住民税非課税世帯の所得がいくらなのか」ご確認頂いた方が確実だと思います。
今朝ツイートした高等教育無料化についても、住民税非課税世帯が対象者になっていました。
今後も住民税非課税世帯を対象とした優遇措置は増えていくと思われますので、この記事を参考にしていただければうれしいです。
https://twitter.com/hosmemo/status/1246242147914801152