「合同会社の帳簿はどうすればいい?」
「どんな書類が必要になるの?」
「やっぱり税理士に依頼?」
上記のような疑問に、会計事務所歴5年のホスメモがお答えします。
結論をいうと、会計ソフトを導入してご自身で帳簿を管理すべきです。
成功している経営者は数字に細かくて、税理士にまかせっきりではありませんよ。
もちろん時間が惜しい方は、税理士に依頼をして、売上を伸ばすことに集中したほうがいいときもあります。
いずれにしても、経営者は数字に強くなるべきです。
合同会社の帳簿はじぶんで作ろう
合同会社を設立したら帳簿はご自身で作りましょう。
というのも、
- 成功する経営者は数字に強い
- 税理士は相談しないかぎり何も教えない
からです。
どういうことなのか解説していきますね。
1、成功する経営者は数字に強い
成功する経営者は数字に強いです。
実務でよくあるのですが、成功している経営者に試算表を持っていくとたいてい突っ込まれるんですよね。
「この数字、なんですか?」というぐあいに。
つまり、たとえ会計事務所と顧問契約をしていたとしても、ご自身で会社のお金を把握されているわけです。
また経営者は試算表とは別に、毎月の支払いができるかも気にします。
とくに仕入れと人件費は支払いが遅れると経営に大きなダメージを与えますからね…。
だからこそ、経営者になる人は数字に強くないとやっていけなのですが。
というわけで最初はご自身で帳簿を作成されたほうがいいです。
どのように帳簿の付けるべきかはこちらの記事を参考にしてください。
ホスメモ:【初心者向け】もっとも簡単な帳簿の付け方【現金主義】
2、税理士は相談しないかぎり何も教えない
びっくりかもしれませんが、税理士さんに「〇〇がしたいです、〇〇について教えてください」と依頼しないかぎり教えてくれません。
その代表例が助成金や融資。
いま、コロナでたくさん助成金がありますがご存じですよね?
- 持続化給付金
- 持続化補助金
- 家賃支援助成金
- 雇用調整助成金
- 固定資産税の免除申請
これに加えて、都道府県やお住まいと地区ごとに独自の助成金もあります。
代表例は東京都感染拡大防止協力金。
こんな感じで、たくさん助成金がありますが税理士は積極的ではないんです。
というのも、
- 日々の業務ですでに忙しく、加えて助成金の申請までできない
- 税理士が儲からないから
です。
本音をいうと、税理士が儲からないから提案しない。
2-1、税理士が儲からなければ提案はしない
税理士も商売なので、わざわざ自分からお金にならない仕事を増やすようなことはしません。
だから助成金にかんする情報収集はご自身でやらないとダメなんですよね。
これは助成金にかぎらず、節税についても同じ。
ほんとうは節税スキームを知っていたとしても、経営者から「節税をしたいのですが」という相談がなければとくに提案しないです。
なぜかというと、
- 経営者が現状で満足していると思われるから
- 積極的な節税提案は税理士にもリスクがあるから
- 納税していたほうが、トータルで損をしないときがあるから
だから積極的に提案するよりも、待ちのスタンスでいたほうが税理士にとっていいんですよ。
ここを知らない経営者は多いので、よく理解してご自分で行動したほうが得です。
続いては、具体的に帳簿を作る流れを紹介していきます。
合同会社の帳簿を作るために必要なもの
合同会社が帳簿を作るために必要なのはつぎの2つ。
- 会計資料(請求書、領収書、契約書など)
- 簿記の知識
そして上記の2つを駆使して、決算で次の資料を作成します。
ゴールは最初に知っておいたほうがいいのでまとめておきますね。
種類 | 内容 |
決算報告書 | 貸借対照表・損益計算書・株主資本変動計算書など |
法人税申告書 | 法人税、地方法人税などを計算した書類。 |
地方税申告書 | 法人住民税、法人事業税などを計算した書類。 |
法人事業概況説明書 | 事業内容、取引状況などをまとめた書類。 |
勘定科目内訳明細書 | 主要な勘定科目の期末残高をまとめた書類。 |
消費税申告書 | 消費税および地方消費税の申告に必要な書類。(義務があれば提出) |
税務代理権限証書 | 申告書提出、税務調査立ち会いなどを税理士に委託した場合に必要な書類。 |
では帳簿作成に必要なものの話しに戻ります。
1、会計資料
会計資料は日々の領収書、請求書、契約書等ですね。
分類 | 名称 | 説明 |
売上 | 請求書 | 売上がわかる資料。Excelで管理している方はデータも必要です。 |
売掛金 | 勘定科目内訳明細書に残高を記載するので必要です | |
経費 | 領収書 | 経費がわかるレシートや領収書を集めてください |
買掛金 | 買掛金も勘定科目内訳明細書に残高を記入するので把握する必要アリです | |
カード明細 | 法人カード等で経費を落としている方は必要ですね | |
棚卸し表 | 小売店などで棚卸し商品があるところは、残高を計上します | |
借入金の返済予定表 | 融資を受けてローンがあると、残高を記載します | |
その他 | 通帳明細 | 法人の場合は通帳の残高を会計帳簿と合わせます |
現金出納帳 | 手元の現金がいくらかまとめたもの。税務調査で必ず求められる。 |
上記の管理方法として、売上はMisocaなどの請求書ソフトをつかい、経費はクレジットカード払いと銀行振込を徹底するのがおすすすめです。
毎月、会計資料は紙もしくはデータでファイリングしてほしいのですが、けっこう時間がかかりますよ。
時間があるときに「法人が決算で提出する書類は?【必要書類まとめ】」の記事にも目を通しておいてください。
税理士に依頼するとしても、決算の流れは知っておくべきでです。
2、簿記の知識
さいきんではクラウド型の会計ソフトを使うことで、簿記の知識がなくても帳簿はカンタンに作れるようになりました。
しかしながら最低限の簿記の知識は必要になります。
なぜかというと、その帳簿の妥当性や正確性を判断するには簿記の知識がいるから。
たとえばあなたは不動産投資家で、3件の不動産から家賃収入を得ているとします。
この事実から推測できるのは、
- 資産に3件分の不動産が計上
- 固定資産税も3件分計上
- 長期借入金があるかも
- 更新手数料があるかも
- 減価償却費が大きい
でしょう。
このように推測をしながら、帳簿をチェックすればミスを発見しやすいですし、正確な帳簿を作成できます。
実際にあった帳簿ミスの事例は「会計ソフトがあれば簿記の知識はいらない?初心者でも平気なの?」で書きましたので時間があるときに読んでください。
まとめ:合同会社の帳簿はじぶんで作りましょう
合同会社を設立したら帳簿はご自身で作成したほうがよいのでした。
けっきょくのところ、
- 成功する経営者は数字に強いですし
- 税理士は相談しないかぎり何も教えないから
ですね。
売上も作れて、お金の管理もできればひとりでビジネスをまわせます。
そして帳簿を作るためには、
- 会計資料
- 簿記の知識
が必要ですよね?
とくに会計資料はファイリングできてないと、税務調査で経費否認リスクが高まるのでしっかりまとめてください。
帳簿はクラウド型の会計ソフトをつかえば、一通りの形にはなります。
あとは簿記の知識をいかして帳簿をチェックできれば完璧です。