月の途中で購入した中古車の減価償却費は?【月割りは切り上げです】

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「月の途中で購入した中古車の減価償却費の計算方法は?」

「月の途中だと日割り計算しないとダメ?」

「月割りは切り上げでいい?」

 

このような疑問にお答えします。

結論をいうと、減価償却費を月割りするときに、1か月未満の端数があるときは切り上げです。

 

月の途中で購入した中古車の減価償却費は?

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繰り返しになりますが、減価償却費を月割りするときに、1か月未満の端数があるときは切り上げです。

 

 また、年の中途で資産を取得した場合などは、その資産を使用した月数に応じて1年分の償却費の額を月割り計算します。この場合の月数は暦に従って計算し、1か月未満の端数がある場合は切上げて計算します。

国税庁:減価償却

 

たとえば、事業年度が1月1日から12月31日の法人が、4月15日に中古車を買ったとしましょう。

そして年間の減価償却費が120万円とします。

 

この年度の減価償却費は120万円÷12ヶ月×9ヶ月で90万円です。

4月は15日分が端数なので、切り上げます。

4月2日も端数なので切り上げ。

 

減価償却の仕訳はどうすればいい?

これを実際に仕訳にしてみましょう。

 

日付 借方 借方金額 税区分 / 貸方 貸方金額 税区分 摘要
12/31 減価償却費 900,000 不課税 / 車両運搬具 900,000 ベンツ

 

こんな感じで、資産を減らして減価償却費を計上する仕訳を作ります。

 

減価償却をしたあとは、車両運搬具の残高が減っているか、貸借対照表で確認してください。

これをやらないと残高が合わなくなる可能性がありますよ。

 

30万円未満の資産は少額減価償却資産になるのですぐ損金になります

もし減価償却を適用している資産の取得価格が30万円未満であれば、減価償却しないで全額経費にできます。※限度額300万円まで。青色申告の方のみ。

これを「少額減価償却資産」といいますよ。

 

中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成18年4月1日から平成32年(2020年)3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます

国税庁:少額減価償却資産

 

たとえばMacのデスクトップを3つ買ったときの値段が75万円だったとしましょう。

この場合だとMacのデスクトップ1つ当たりの価格は25万円になるので、全額損金にできる計算になります。

 

Macのデスクトップなら分かりやすいんですが、ソフトウェアなどの機械や権利など資産は、単位を求める判断が難しんです。

じっさいにドコモが減価償却資産の単位をめぐって裁判を起こした事例があります。

 

減価償却資産の判定単位をめぐる判例

結論をいうと、最高裁の判決は、「減価償却資産は事業の売上を発生させるために使える状態であればOK」という解釈になります。

 

裁判では、ドコモが買収したPHSの回数利用権の資産計上は、1回線ごとにすべきorすべての回線を含めて計上すべきかでもめました。

 

1回線あたり7万円の権利が、15万回線あったので、1つの資産とみなされると全然損金にならないんですよね…

一方で1回線ごとに資産として判断されれば、減価償却資産になるので全額損金にできました。

https://hostess-tax.com/supplies/

 

結論は、1回線ごとに計上してOKという判決です。

理由は「1回線だけでも、売上を発生させる機能があるから」です。

この判決のおかげで、償却資産税も課税されないのでダブルで節税になります。

https://hostess-tax.com/depreciable/

 

噛み砕いた解釈にしていますので詳しくは最高裁の主文をご覧頂ければと思います。

参考:NTTドコモ事件の判例

減価償却費の仕訳を計上したあとは固定資産台帳をチェック

減価償却費を計上したあとは、固定資産台帳と貸借対照表の残高があっているかチェックしましょう。

この作業を知らない方は多いはず。

 

手順は簡単です。

  1. 減価償却費を計上する
  2. 固定資産台帳の残高と貸借対照表の固定資産ごとの残高が一致するか確認

これだけです。

 

固定資産台帳の残高の検証方法は下記の記事の後半をご覧ください。

会計ソフトのfreee、やよいの青色申告、マネーフォワードごとに画像付きで解説しました。

ここまで説明したブログはかなり少ないので有益だと思いますよ。

https://hostess-tax.com/fixed-asset-register/

2 COMMENTS

牽牛星

1. このような疑問に答えします→「答えします」は「答えます」か「お答えします」
2. 使用していている→使用している
3. 減価償却資産の判定単位をめぐった判例→「めぐった」は「めぐる」

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ホスメモ

ご指摘ありがとうございます!!
修正致しました。

またご指摘等ございましたら、教えていただけると大変助かります。

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