「いつから税理士をつける?」
「税理士をつける費用対効果はある?」
上記のような疑問に、会計ソフト歴6年のホスメモがお答えします。
ざっくりした結論をいうと、売上1,000万円を超えたぐらいから税理士をつけたほうがいいですよ。あとは所得、納税者、所得の種類が多い経営者ほど、税理士の費用対効果を狙えます。
ちょっと意味不だと思うので詳しく解説しますね。
税理士顧問契約で費用対効果はいかほど?
いきなり税理士を雇う、というのはハードル高いと思われがちです。
ですが費用対効果が得られるのであれば、税理士を雇ったほうが有利です。
今回は青色申告による節税効果を例に話しをしますね。
青色申告を入れるかどうかの事例
まったくの素人が税理士を雇って、どれだけ費用対効果が得られるのか。
たとえば確定申告には、
- 白色申告
- 青色申告
とありまして、青色申告にすると65万円控除がもらえます。
青色申告を始めるには事前に、申請書類を1枚提出して、カンタンな要件を満たせば毎年65万円の控除がもらえる。
では65万円控除はいくら節税になるのか。
所得の大きさによって節税額が変動するのですが(※これって富裕層が有利な仕組みなんです)たとえば所得150万円の方が青色申告の65万円控除を受け取ると、節税額は約153,400円です。
※所得税、住民税、国民健康保険料の節税額です。
参照:青色申告の65万円控除の節税効果はいくら?検証してみました
個人事業主が税理士に確定申告を依頼すると申告料が約10万円。でも依頼することで約15万円節税して確定申告もラクに済ませれるというわけですね。これなら損してない。
しかも青色申告は毎年65万円控除もらえるので、早いうちから青色申告のメリットを知っていて、申請書も提出しておくことで、何年にもわたって節税ができます。
それに税理士による代理申請なので安心感もあります。
以上を踏まえると税理士を雇っても、費用対効果はあるのではないでしょうか?
税理士で費用対効果を得られやすい経営者の特徴
税理士に節税を依頼して、費用対効果が期待できる経営者の特徴をまとめました。
- 所得が多い
- 納税者が多い
- 所得の種類が多い
1、所得が多い
所得が多い人ほど、節税効果って大きいんですよ。
さっきちらっと書きましたが、「控除」というのは専門用語で「所得控除」を言います。これとは別に「税額控除」もありますが、なぜか2つあります。
というもの、「所得控除」は所得が多い人ほど節税額が大きくなるように設計されているからです。
いっぽうで「税額控除」は、所得の大小に影響を受けません。
※たとえば住宅ローンはローン残高によって控除額を判定するので、所得の大小は関係なし。
所得税法にはたくさん15種類もの控除があります。
- 基礎控除
- 扶養控除
- 寡婦控除
- 雑損控除
- 配偶者控除
- 医療費控除
- 寄付金控除
- 障害者控除
- ひとり親控除
- 勤労学生控除
- 生命保険控除
- 配偶者特別控除
- 社会保険料控除
- 地震保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
これらすべてに、要件、限度額、必要書類等のこまかな決まりがあるんですよ。
所得が多い人は控除がちょっと増えるだけで、税額に大きな影響を与えてしまいます。
だから税理士を雇って節税をしてもらったほうが有利。
費用対効果があるわけです。
多くの経営者は税理士を雇いますよね。
逆に税理士を雇ってない経営者は、脱税で逮捕されたりしてます。
参照:無申告の法人は3年後に税務調査に入られます【実例で解説】
なので富裕層になればなるほど、税理士の費用対効果が大きいのでした。
2、納税者が多い
「ちょっと意味わからん」って方が多いと思います。
ようは法人を持っているかどうかです。
法人の経営者は、法人と個人に所得を分散させて節税させるのですよ。
たとえば個人にかかる税率は最大で55%になります。
これは所得税率が累進課税なので、所得が増えるごとに税率もあがるためです。
これを回避するために、個人の所得を法人に分散させて、所得税率を下げようと法人の経営者は考えます。
こんなチートができるのは、法人を持っている経営者だけ。
だから法人の経営者は節税対策の幅が、個人事業主よりも増えるので、節税しやすいんですよ。
なので税理士を付けたほうが有利ですね。
それも、有利不利を毎回検討してくれるような親身な税理士を。
3、所得の種類が多い
「所得の種類が多いってどういうこと?」と疑問に感じる人がほとんどだと思います。
ちょっと説明すると所得税法上は、あなたのお金の稼ぎ方によって、所得を10種類に分類しているんですよ。
ほとんどの方はサラリーマンでお給料以外の収入はないので、「給与所得」だけ。
でも経営者は「事業所得」はもちろん、「不動産所得」もあれば、「雑所得」もあったりする。
で、所得の種類ごとに税金を計算する方法がちがうから、節税の余地があるんです。
参照:年収と所得の違いは?扶養の判定基準はどっち?【合計所得金額】
だからお給料だけのサラリーマンは税理士に依頼するまでもないです。
給与所得しないので節税といっても、所得控除か税額控除しかないし。それも年末調整で完結してます。
どうですか?知らなかったことが多かったのではないでしょうか。
税理士を付けるつけないの費用対効果は検討すべき余地がけっこうあるから一言では言いづらいんです。
さてここまで踏まえたうえで、あえて目安の数字を出すとすれば、売上が1,000万円を超えた個人事業主さんは税理士を付けましょう。
売上が1,000万円を超えると消費税の確定申告が必要
ご存じの方も多いかもですが、課税売上が1,000万円を超えると「消費税」の確定申告が別途、必要になるので気をつけましょう。
消費税の確定申告は会計ソフトがあればできますが、税区分の判定がひじょうに複雑です。
そもそも納税義務の判定だけで、論点ありすぎ。
参照:消費税払う人の条件は?納税義務のフローチャートで確認しよう
なので節税対策も検討できるし、消費税の確定申告は意味不なので税理士に依頼しようというのもアリだと思いました。
ある程度の規模になると、消費税も毎年納税するようになります。
ざっくりした計算方法でよければ、「いくらから消費税の確定申告は必要?計算方法は?【1,000万円】」を参考にしてください。
さて税理士を雇う費用対効果については説明は以上です。
ここからはどのような税理士を選ぶべきかをお伝えします。
費用対効果を狙えるときの税理士の選び方
税理士の選び方です。事務所の規模で考えてみました。
- ひとり税理士
- 少数精鋭な税理士事務所
- 税理士法人や大手はやめときましょ
税理士の選び方はほかにも、業界の専門性、税理士の略歴、料金等からも選べると思います。
上記の視点で税理士の選び方を考えた記事はこちらをご参照ください。
参照:税理士費用の相場はいくら?安くする方法あるの?【法人向け】
参照:失敗しない税理士の選び方!ホステスは賢く確定申告で節税しよう
1、ひとり税理士
誰も雇っていないフリーランス税理士をひとり税理士と巷で言われてます。
ひとり税理士なら、対応してくれるのはもちろん税理士なので、ほかのスタッフに担当が回ることはありません。
「どうしても税理士に担当してほしい」という方はひとり税理士がいいと思います。
ただし、マンパワーが弱いのでお断りされることや、費用がほかの税理士よりも高かくつく傾向もあるのでご了承ください。
節税を考えるなら税理士が担当してくれたほうが安心感はありますよ。
2、少数精鋭な税理士事務所
職員が10名以下くらいの少数精鋭な税理士事務所もおすすめ。
というのも、職員同士のチームワークが良く、たとえ担当の方が有資格者でなくてもサービスの質は高かい傾向にあります。
ちょっと大きい事務所になると、社内政治があるので、チームワークが悪くなり結果的にクライアントへのサービス低下につながることがあるので注意ですね。
少数精鋭の事務所だと、融通が利くこともあり、料金もすこし安いと思います。
3、税理士法人や大手はやめときましょ
この記事を読んでいる個人事業主さんは、税理士法人や大手はやめましょう。
きちんと時間を割いて、相手してくれないですから。
税理士業界のあるあるですが、法人のクライアントを優先します。
法人のほうが売上が高くなりやすく、お金持っているので顧問料がいいのですよ。
だから個人事業主は後回しにされがちです。
確定申告時期だけしか関与しない人も多いし。
なので税理士法人や大手は避けたほうがいいですかね。
まとめ:税理士顧問契約で費用対効果はありますよ
税理士を雇う費用対効果、ありましたよね。
青色申告をするだけで、15万円の節税効果があったり。
個人の確定申告なら10万円が相場なので、十分ペイできてます。
税理士の費用対効果が期待できる経営者の特徴は、
- 所得が多い
- 納税者が多い
- 所得の種類が多い
でした。
もし上記の3つの一つでも当てはまるなら、税理士に依頼しましょう。
費用対効果と手間暇を考えるといい投資です。
ちなみに確定申告しないままはやめましょう。
経営者は稼ぐことに頭がいっぱいになりやすく、納税は滞りがちです。
税金払わないで逮捕されたり、人生詰んだ経営者を多く見てきたので、読者のあなたには失敗してほしくないです。