決算処理の手順は?どこから始めればいい?【貸借対照表が最初】

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「決算処理の手順は?」

「どこから始めればいいの?」

 

上記のような疑問にお答えします。

 

結論をいうと、貸借対照表の数字からがっちり確定させていけばOKです。

この手順を間違えると、決算処理に膨大な時間をかけてしまうかもしれません。

 

決算処理の手順は貸借対照表から!

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決算処理の手順は、貸借対照表のチェックから始まります。

貸借対照表の決算処理を確認する手順はこちらですね。

 

  1. 普通預金
  2. 売掛金
  3. 棚卸し
  4. 固定資産
  5. 買掛金
  6. その他B/S科目

 

かならず貸借対照表からチェックしましょうね。でないと2度手間、3度手間になってしまうかもしれません。

1、普通預金

まずは普通預金ですね。通帳の残高と、帳簿の残高が一致していることを確認します。

 

通帳の入力漏れがあったりすると、影響が大なのでまず最初にチェックしましょう。

 

通帳残高が帳簿と一致してないと「なにしているんですか?」みたいに思われます…。

 

ちなみに、会計データの入力も普通預金から始めます。

まず通帳を入力して、そのあと貸借対照表の勘定科目をチェックする。

 

決算処理の手順と同じですね。

 

2、売掛金

つづいて、売掛金の残高を確認しましょう。

 

12月決算で滞納がなければ、売掛金の残高は12月の売上分だけになるはずですよね?

残高が正しい経営状況を映しているか、一つひとつ確認してください。

 

また売掛金の計上漏れには注意が必要です。

 

もし売掛金で計上漏れがあると、売上漏れにつながるので税額に大きな影響を与えます。

あとは、売掛金ではなくて、売上戻しのケースもあったり…。

 

売掛金は残高だけではなくて、一つひとつの取引も確認したほうが無難かもしれません。

 

ホスメモ:売掛金の決算仕訳はどうすればいい?【残高を検証しよう】

 

3、棚卸し

三分法で仕訳を作っているのであれば、期首の棚卸しの残高をゼロにし、期末に棚卸しを計上しましょう。

 

で、この期末の棚卸しの数字はけっこう難しいんですよね。

 

というのも、棚卸しを使った架空経費の計上スキームが横行しているから。

 

決算の月末に在庫を数えて、棚卸し金額をはじき出すとおもうのですが、在庫の数ってやろうとおもえばいじりやすいです。

 

そもそも在庫数までは帳簿で管理してないですから、「数え間違えました」とか言えば、いじてれしまう。

 

在庫が少ない飲食店とかなら、あまり影響がないのですが、ECサイトや自動車部品販売とかなら在庫はけっこう抱えています。

 

仕訳を作成するまえに、棚卸しの数字が適正であるか、もう一度確認しておくべきですね。

 

4、固定資産

固定資産は減価償却費が計上されているかチェックですね。

 

未計上であれば、固定資産台帳から当期償却額を参照して、減価償却費を計上してください。

 

また期中に固定資産を購入していたら、固定資産台帳にも計上しているか確認です。売却であれば、台帳から除却しなければいけません。

 

けっきょくは固定資産台帳の残高と帳簿の残高が一致すればいいだけですね。

 

仕訳よりも消費税の区分に気をつけたほうがいいかもです。

 

というのも、消費税の区分が間違えているかどうかは、気づきずらいですし、固定資産ともなれば金額が大きいので税額に与える影響も大です…。

 

ホスメモ:減価償却費の決算仕訳は?固定資産台帳も必要なの?【残高が大事】

 

5、買掛金

買掛金も念入りにチェックしましょう。

仕入に関わりますから、間違えた時の金額が多額になりやすいです。

 

基本的には売掛金とチェックすべきことは同じで、

 

  1. 正しい残高であるか
  2. 仕入戻しはないか

 

などをよく見ておくといいですよ。

 

未払金等もおなじような手順でチェックしてください。

 

ホスメモ:未払金の決算仕訳は?計上漏れがあったときはどうする?【決算整理】

 

6、その他B/S科目

上記までが主要な勘定科目でしたが、実際は貸借対照表のすべての科目をチェックしてくださいね。

 

  1. 預り源泉税の残高は正しいか
  2. 短期借入金は増えすぎていないか
  3. 残高がマイナスの勘定科目はないか
  4. 仮払金や未確定勘定の残高はあるか
  5. 仮受、仮払消費税等の残高はゼロか
  6. 未払消費税や法人税等は計上したか

 

まだまだありますが、ここまでが主なものだとおもいます。

 

ここまで来てから、つぎは損益計算書の勘定科目を一つずつチェックしていきましょう。

 

ホスメモ:法人税の決算仕訳は?未払法人税等を計上しなくてもいい?

ホスメモ:消費税の決算仕訳は?税込みと税抜き経理で違うの?【雑収入】

 

つづいて、損益計算書もチェックをしよう

貸借対照表のあとは、損益計算書チェックですね。

 

損益計算書のチェックの仕方は、

 

  1. 縦の比較
  2. 横の比較

 

を使っていきます。

 

縦の比較では、売上に対して仕入の金額が妥当であるか。

また売上に対して給与等はどうなのか、検証します。

一桁ゼロが多かったり、仕入にすべきところを消耗品費で計上してしまったり、入力ミスを見つけやすくなります。

 

横の比較は、前期の給与と当期の給与の金額を比較して、どれだけ増減があるか確認ですね。

 

売上が変わらなければ、給与等もさほど変動がないはずなので、もし大きく金額が動いていたら計上ミスかもしれません。

 

このように縦横の比較で損益計算書の妥当性を検証できます。

 

消費税の課税事業者であれば、一番最後に消費税の区分をチェックまでします。

これがめんどうなのと、間違えに気づきづらくてやっかいですので、税理士さんに依頼するか、勉強して頑張るしかないですね…。

 

まとめ:決算処理の手順は貸借対照表の勘定科目から始めましょう

決算処理の手順は、貸借対照表のチェック始めるのでした。

おすすめの手順はこちらですね。

 

  1. 普通預金
  2. 売掛金
  3. 棚卸し
  4. 固定資産
  5. 買掛金
  6. その他B/S科目
  7. 損益計算書
  8. 消費税の区分

 

損益計算書からチェックを始めると、2度手間、3度手間になるかもしれないので気をつけてください。

 

とにかく貸借対照表の数字を固めることが先決です。

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