経費で落とすと何が得なの?メリットはある?【自営業向け】

「経費で落とすと何が得になるの?」

「メリットが知りたい…」

 

上記のような疑問に、会計事務所歴6年のホスメモがお答えします。

 

経費で落とすメリットは「税金が安くなるから」いうのはご存じだと思いますが、実際にどれくらい安くなるのかはほどんど理解されてないと思います。

 

じつは確定申告をすることによって、所得税、住民税、国民健康保険料、消費税の税額が決定されます。

※社会保険未加入の場合、国民健康保険料がかかります。

※消費税の納税義務は要件があります。

 

つまりレシートを1枚入れるか入れないかによって、4つの税金の金額が変動するんですよ。

 

ここを理解すると、「経費を多く入れたい」経営者の心理がわかります。

ただし、注意点もあり「経費を多く入れればいい」というものではありません。

 

詳しく解説しますね。

 

自営業が経費で落とすと何が得になるの?

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自営業が経費で落とすと何が得になるのか、まとめてみました。

  1. 節税になる
  2. 貯金が増える

 

1、節税になる

1枚の領収書を経費で落とすだけで、

 

  1. 所得税
  2. 住民税
  3. 消費税
  4. 国民健康保険料

 

上記の4つが節税になります。

※消費税については納税義務がある方だけ、国民健康保険料は社保に加入してない方だけ影響あります。

 

これってかなりすごいことなんですよ。

たとえば所得税は最低でも税率が5%かかり、住民税と消費税はそれぞれ一律で10%、国民健康保険料もおおよそ所得にたいして10%課税されます。

これを金利で考えたらとてつもなく高いですよね。

 

いまの普通預金の金利は三菱UFJ銀行で「年0.001%」です。

100万円を1年間預けて普通利息が10円しかもらえません。

 

一方で100円のお茶代を経費に入れれば、住民税だけで10円節税できました。

と考えると節税効果のインパクトがいかに大きいのか体感できるのではないでしょうか?

 

だから富裕層はせっせと節税するわけです。

高い報酬を税理士に払ったとしても、それ以上に有利に節税ができますからね。

 

そして大事なのが、節税=貯金の増加につながります。

 

2、貯金が増える

経費で落とすことで貯金が増えます。

 

というのも、所得税、住民税は利益に対して課税される税金なので、節税した分だけ貯金が増加するからです。

 

自営業の経営は不確実性が多く含まれているため、貯金がたくさんあるとそれだけ経営が安定します。

実際、経営者のほとんどが現金が手元になくて悩んでいますからね。

 

なので安定した経営をめざすなら、十分な資金を手元に残しておくべきです。

その手段として領収書を経費で落とし、節税して貯金を増やす方法があるんですよ。

 

もちろんなんでもかんでも経費になるわけではありません。

経費の考え方は「衣装代も経費になる?個人事業主が経費をいれるときの基準は?」が参考になるのでぜひ読んでみてください。

 

3、経費の具体例

参考までに経費の勘定科目を載せておきますね。

 

資料の種類 勘定科目 役に立つ説明
経費 仕入高 Ex.売上高に対応する原価の仕入分、飲食店なら食材の費用、不動産管理業なら管理費
諸会費 Ex.年会費、カード年会費
衣装費 Ex.事業用のスーツ、制服等
通信費 Ex.インターネット代、電話代、郵便代
会議費 Ex.一人当たり5,000円以下の飲食代、カフェ代、飲み物代、ご飯代
保険料 Ex.自動車保険料、火災保険料など
外注費 Ex.外注業者に支払う報酬
消耗品費 Ex.10万円以下の備品代、スマホ、パソコン、文房具、名刺
租税公課 Ex.税金を払った費用、印紙代、固定資産税、不動産取得税、自動車税、印紙税
地代家賃 Ex.自宅の家賃、事務所の家賃
給与手当 Ex.従業員に払うお給料、アルバイト代
支払手数料 Ex.銀行の振込手数料など
支払報酬料 Ex.弁護士、税理士、司法書士など源泉徴収の対象となる報酬を払ったときに使う
接待交際費 Ex.一人当たり5,000円を超える接待のご飯代、贈答品費、お歳暮にかかった費用
水道光熱費 Ex.電気代、ガス代、水道代
旅費交通費 Ex.タクシー代、電車代、バス代、飛行機代
新聞図書費 Ex.ビジネス本、教材費
広告宣伝費 Ex.宣伝するためにかかった費用、インターネット広告代、メディア掲載代

参照:個人事業主が使える経費一覧

 

ただし、ビジネスと関係ないものは経費になりません。

 

たとえばふだんの食事。

ビジネスをしなくてもご飯は食べますよね。

それを経費にはできないのですよ。

 

いわゆる「生活費」です。

だんだん経費を多く入れようとしてしまう人がほとんどです。

税務調査で否認されるリスクを考えるとやりすぎはダメ。

 

何事もバランスが大事なので、適度に節税しましょう。

節税に目くじら立ててしまうと痛い目に合いますよ。

 

参照:どのくらいの確率で税務調査に入られるの?【個人事業主向け】

経費で落とすためには領収書と帳簿が必要です

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さて経費で落とすメリットはご理解いただけたと思いますが、どのようにすれば経費で落とせるのか。条件は2つあります。

 

  1. 領収書
  2. 帳簿

 

上記の2つが管理されていて、かつ整合性が取れている必要がありますよ。

 

1、領収書

経費で落とすためには領収書・レシートの保管が義務付けられます。

 

原則は7年間保存しますが、帳簿を7年間保存するのであれば、領収書は5年でもかまわないとされています。

 

法人は、帳簿(注1)を備え付けてその取引を記録するとともに、その帳簿と取引等に関して作成又は受領した書類(以下「書類」といい、帳簿と併せて「帳簿書類」といいます。)を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間(注2)保存しなければなりません。

国税庁:帳簿書類等の保存期間及び保存方法

 

「法人は………」とありますが、個人も同じく保存が必要です。

 

また領収書の表記も十分に注意してください。

たとえば宛名が「上様」、但し書きが「お品書き」の領収書はアウトです。

 

というのも、誰が何を購入したのかわからないから。

詳しくは「領収書の宛名は上様ではダメ?経費として有効なの?【消費税】」で確認お願いします。

 

2、帳簿

経費で落とすためには、領収書と帳簿の管理がセットで必要です。

いぜんか領収書だけでも良かったのですが、より厳格に税金を計算するために、領収書と帳簿はセット管理しなければいけなくなりました。

 

そのため帳簿に記載すべき要項も決められています。

嚙み砕いていうと、下記の4つを仕訳で表現します。

  1. 取引の日付
  2. 取引相手
  3. 取引内容
  4. 金額

 

具体的な仕訳は「帳簿の摘要の書き方は?経費になるの?【仕訳で解説】」のなかで解説しましたので参考にしてください。

 

帳簿の摘要は厳密に記載できなくても大丈夫ですが、原則のルールは知っておいたほうがいいですよ。

 

というわけで本記事は以上になります。

まとめ:経費で落とすと節税になり貯金が増えます。これがメリットです

自営業が経費で落とすと何が得になるのかはこちら。

 

  1. 節税になる
  2. 貯金が増える

 

レシート1枚で、所得税、住民税、消費税、国民健康保険料の4つが節税になるので金利で稼ぐよりも、節税したほうが手っ取り早いのでした。

 

経費で落とす具体的な手順は、

 

  1. 領収書と
  2. 帳簿の管理

 

でしたね。領収書と帳簿のどちらも記載要項は税法で定められているので、きっちり管理しておかないと税務調査で否認されるリスクが残ります。ここは気をつけてください。

 

最後に釘をさせておきますが、経費はほどほどにしましょうね。

生活費は経費になりませんよ。

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